O-1-C16 腸瘻による栄養管理を行った重症心身障害者の3例
はじめに重症心身障害者の摂食栄養障害に対して、広く経管栄養管理が普及してきた。しかし一度経管栄養管理を開始した場合、多くの症例では永続的に経管栄養管理を続ける必要があり、それに伴う合併症も問題になってくる。今回われわれは、腸瘻からの栄養管理を行った重症心身障害者の3例の経過につき報告する。症例140歳代女性、脳性麻痺の患者。20011年4月から腸瘻による栄養管理がなされていた。2012年11月イレウスを発症。保存的治療にて改善せず、緊急手術(内ヘルニア解除術)を施行した。術直後の経過は良好であったが、再度イレウスを発症し術後4カ月で永眠された。症例240歳代女性、新生児黄疸による脳性麻痺の患者...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2014, Vol.39(2), pp.246-246 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに重症心身障害者の摂食栄養障害に対して、広く経管栄養管理が普及してきた。しかし一度経管栄養管理を開始した場合、多くの症例では永続的に経管栄養管理を続ける必要があり、それに伴う合併症も問題になってくる。今回われわれは、腸瘻からの栄養管理を行った重症心身障害者の3例の経過につき報告する。症例140歳代女性、脳性麻痺の患者。20011年4月から腸瘻による栄養管理がなされていた。2012年11月イレウスを発症。保存的治療にて改善せず、緊急手術(内ヘルニア解除術)を施行した。術直後の経過は良好であったが、再度イレウスを発症し術後4カ月で永眠された。症例240歳代女性、新生児黄疸による脳性麻痺の患者。経鼻経管栄養を開始したものの、嘔吐および誤嚥性肺炎により低栄養状態となった。2011年7月に腹腔鏡下腸瘻造設術を施行した。術後の経過は問題なかったものの、その後麻痺性イレウスを反復して発症、術後2年後に永眠された。症例340歳代男性、胎児仮死・頭蓋内出血による脳性麻痺の患者。20011年11月からは腸瘻からの栄養管理がなされていた。2012年8月に麻痺性イレウスを発症。イレウス管にて軽快。その後2013年1月にイレウス再発。発症後約1カ月で永眠された。考察および結論近年、重症心身障害者の摂食・嚥下障害に対しても、経腸栄養管理が行われることが多くなってきている。特に経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)などの低侵襲な手技が行われることが多いが、PEG後の胃食道逆流のため治療に難渋する症例も報告されている。腸瘻は胃食道逆流による誤嚥性肺炎を回避することができると考えられるものの、ベースに腸管運動不良という病態が存在するため、内ヘルニアを発症したり、麻痺性イレウスを起こしたりするなどの可能性が考えられる。造設の際には充分な適応の検討および手術手技上の注意が必要と考えられた。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.39.2_246_2 |