O-1-C04 強度行動障害と視聴覚障害を合併する動く重症心身障害者に対するトイレでの排泄指導

はじめに強度行動障害と視聴覚障害を合併する動く重症心身障害者である本対象者に対し、これまで個別療育活動を実施し、他者理解や問題行動に改善がみられた。そこで、本報ではさらに排泄に関わる障害(放便・放尿)に対し、トイレでの排尿行動を可能にすることを目標に取り組んだので報告する。対象強度行動障害と視聴覚障害をもつ動く重症心身障害者39歳女性(以下、A)。大島分類5。強度行動障害スコア30点(個別療育活動実施後19点)。方法2013年8〜9月に放便・放尿がどの時間帯に多いのかを1カ月間チェックリストにて把握した。1カ月間のチェックリストより、16時前後に放便・放尿が多いことがわかった。排泄行動を定着さ...

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Veröffentlicht in:日本重症心身障害学会誌 2014, Vol.39(2), pp.240-240
Hauptverfasser: 丸澤, 由美子, 服部, 恵子, 長谷, 由加理, 樋廻, 旬子, 高橋, 純哉, 大橋, 浩, 村田, 博昭, 横山, 尚子, 庵原, 俊昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに強度行動障害と視聴覚障害を合併する動く重症心身障害者である本対象者に対し、これまで個別療育活動を実施し、他者理解や問題行動に改善がみられた。そこで、本報ではさらに排泄に関わる障害(放便・放尿)に対し、トイレでの排尿行動を可能にすることを目標に取り組んだので報告する。対象強度行動障害と視聴覚障害をもつ動く重症心身障害者39歳女性(以下、A)。大島分類5。強度行動障害スコア30点(個別療育活動実施後19点)。方法2013年8〜9月に放便・放尿がどの時間帯に多いのかを1カ月間チェックリストにて把握した。1カ月間のチェックリストより、16時前後に放便・放尿が多いことがわかった。排泄行動を定着させるために、日常生活の一環として取り組める「夕食前(16:30ころ)」にトイレへ行くこととした。このチェックリストで把握した行動をもとに、2013年9〜12月に1日1回定期的にトイレ誘導した。Aが混乱しないよう、全スタッフが統一して対応できるマニュアルを作成、実施した。結果初日は便座に座ることを嫌がってすり抜けようとしたが、4日目には便座に座ることを拒否せず、自ら進んでトイレに座りにいこうとする姿が見られた。5日目に初めてトイレで排便・排尿することができた。24日目以降にはほぼトイレにて排尿を行うことができた。1日に数回あった放便・放尿が、現在では週数回程度にまで減少した。まとめAの日常生活パターンの中に「排泄」の行動を導入したため、Aにとってはスムーズに受け入れることができた。トイレでの排泄行動が形成されたことで、居室での放便・放尿の減少につながったと考えられる。Aは普段、初めてのことには慎重な姿が見られ、不安は大きいが、トイレでの排尿をAの日常パターンの一部に組み込むことで、特に行動上の問題も見られず、とてもスムーズに取り組むことができ、排泄行動の定着へつながっている。
ISSN:1343-1439
2433-7307
DOI:10.24635/jsmid.39.2_240_2