多職種連携による重症心身障害児 (者) の客観的視機能評価法
「要約」重症心身障害児(者)(以下, 重症児(者))は, 視覚刺激に対する応答が不明瞭であり, 実際にどこまでどのように見えているのか正確に捉えることは難しい. 今回, 視能訓練士, 眼科医と療育に携わっている作業療法士, 言語聴覚士, 小児科医の多職種が連携し, 工学系研究者の協力の下で客観的視機能評価を試み, 以下の成果を得た. 1. 興味を引く動物のキャラクター画像の反転刺激を用いて, パターン反転で得られる従来波形に極めて類似した視覚誘発電位を抽出できることが判明した. 2. 従来刺激では明瞭な対光反応の見られなかった対象者で, 電子瞳孔計の青色光刺激(470nm)で明らかな対光反応を...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2014-04, Vol.39 (1), p.3-12 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要約」重症心身障害児(者)(以下, 重症児(者))は, 視覚刺激に対する応答が不明瞭であり, 実際にどこまでどのように見えているのか正確に捉えることは難しい. 今回, 視能訓練士, 眼科医と療育に携わっている作業療法士, 言語聴覚士, 小児科医の多職種が連携し, 工学系研究者の協力の下で客観的視機能評価を試み, 以下の成果を得た. 1. 興味を引く動物のキャラクター画像の反転刺激を用いて, パターン反転で得られる従来波形に極めて類似した視覚誘発電位を抽出できることが判明した. 2. 従来刺激では明瞭な対光反応の見られなかった対象者で, 電子瞳孔計の青色光刺激(470nm)で明らかな対光反応を認めた. 3. 非接触型の視線解析装置を用いて縞視標や視運動性眼振の誘発視標をモニタ上に提示し, 選択注視や眼振の波形を解析した結果, 視診では判定が曖昧な事例でも客観的に評価できることが判明した. これらは療育者や験者の主観的観察結果に基づく応答性を客観的に評価し共有できる点で優れている. |
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ISSN: | 1343-1439 |