P-2-F2-06 経管栄養中の患児における尿中ヨウ素排泄と甲状腺機能検査

はじめに注入栄養剤のヨウ素含有量が少ないことは以前から指摘されていた。尿中ヨウ素測定が短期間のヨウ素摂取量を反映する指標であることに着目し、経管栄養剤と尿中ヨウ素濃度との相関を検討した。また重症心身障害児(者)ではヨウ素摂取不足に伴う甲状腺機能低下症の発症も知られており、甲状腺機能も併せて検査した。方法当院小児科外来および入院中の重症心身障害児(者)で、経管栄養を主に実施している患者の尿中ヨウ素/クレアチニン比と、血中のTSHおよびfT4の測定を行った。ヨウ素の含有量が規定されている経管栄養剤を使用している者と経口摂取を実施している者をヨウ素添加群とし、ヨウ素の含有量が規定されていない経管栄養...

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Veröffentlicht in:日本重症心身障害学会誌 2013, Vol.38(2), pp.372-372
Hauptverfasser: 高橋, 長久, 岩崎, 博之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに注入栄養剤のヨウ素含有量が少ないことは以前から指摘されていた。尿中ヨウ素測定が短期間のヨウ素摂取量を反映する指標であることに着目し、経管栄養剤と尿中ヨウ素濃度との相関を検討した。また重症心身障害児(者)ではヨウ素摂取不足に伴う甲状腺機能低下症の発症も知られており、甲状腺機能も併せて検査した。方法当院小児科外来および入院中の重症心身障害児(者)で、経管栄養を主に実施している患者の尿中ヨウ素/クレアチニン比と、血中のTSHおよびfT4の測定を行った。ヨウ素の含有量が規定されている経管栄養剤を使用している者と経口摂取を実施している者をヨウ素添加群とし、ヨウ素の含有量が規定されていない経管栄養剤を使用している群をヨウ素非添加群とし、分析を行った。対象は16名(男性10名、女性6名)、年齢は3歳から31歳(平均10.5歳)であった。原疾患としては染色体異常3名、ミトコンドリア病3名、低酸素性脳症後遺症3名、複雑心奇形2名であった。その他の疾患としてはコルネリア・デ・ランゲ症候群、筋ジストロフィー等があった。7名が抗けいれん剤を使用していた。栄養剤としてはラコール®単剤が6名、エンシュア®単剤が4名、ツインライン®+ラコール®併用が1名、エレンタールP®が1名、ミルクが2名、ケトンミルクが2名であった。また4名が経口摂取を1日1回以上併用していた。結果尿中ヨウ素/クレアチニン比は最低値25(μg/g・Cre)、最高値は2760(μg/g・Cre)であった。尿中ヨウ素/クレアチニン比はヨウ素添加群と非添加群では有意差があった。甲状腺機能と尿中ヨウ素排泄の有意な相関はなかったが、甲状腺機能低下症として治療を要すると考えられるfT4 0.8 ng/dl以下は非添加群でのみ見られた。スポット尿では甲状腺機能を予測するのは困難と考え、今回経時的な変化にも着目し発表を行う。
ISSN:1343-1439
2433-7307
DOI:10.24635/jsmid.38.2_372_1