P-1-D-05 当院で経験したヒトメタニューモウイルスのアウトブレイクと対応
目的当院で短期入所者に端を発したヒトメタニューモウイルス(以下、hMPV)感染症の病棟内アウトブレイクを経験したが、病棟閉鎖等の対応をとって感染拡大防止に取り組んだので、その経緯を含めて報告する。経過通所利用者1名が短期入所中、入所5日目夜に発熱し、個室隔離と飛沫・接触感染予防策を実施した。7日目(第3病日)に迅速診断キットでhMPV感染症と診断した。その後、発症まで同室にいた入所者が次々に発熱し、計7名となった。2人目が発症した段階でただちに部屋移動を禁止し、病棟閉鎖とした。また通所利用者も発熱し、翌日迅速キットで陽性を確認、hMPV感染による肺炎と診断し、4日間入院治療した。通所は土日を含...
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Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2013, Vol.38(2), pp.303-303 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的当院で短期入所者に端を発したヒトメタニューモウイルス(以下、hMPV)感染症の病棟内アウトブレイクを経験したが、病棟閉鎖等の対応をとって感染拡大防止に取り組んだので、その経緯を含めて報告する。経過通所利用者1名が短期入所中、入所5日目夜に発熱し、個室隔離と飛沫・接触感染予防策を実施した。7日目(第3病日)に迅速診断キットでhMPV感染症と診断した。その後、発症まで同室にいた入所者が次々に発熱し、計7名となった。2人目が発症した段階でただちに部屋移動を禁止し、病棟閉鎖とした。また通所利用者も発熱し、翌日迅速キットで陽性を確認、hMPV感染による肺炎と診断し、4日間入院治療した。通所は土日を含めて6日間閉鎖したが、再開前日に2名発熱があり、解熱後3日間登所を控えてもらうようにした。病棟では同室者以外の発症はなく収束に向かった。結果と考察感染を確認または強く疑われたのは、入所者7名、通所者3名、職員7名の計17名であった。病棟内感染は、同室者のみであった。直接関わった職員7名に発熱や咽頭痛、咳嗽が見られたが、うち2名は利用者の発症前から関わっていた支援科職員であった。残り5名は患者の発症後に関わっていた看護師であった。摂食不良や細菌との混合感染で点滴を行ったのは利用者10名中5名だった。重症児(者)施設では急性呼吸器感染症の原因の一部をhMPVが占めるといわれているが、重症児(者)は抵抗力が弱く症状が重篤化しやすいため、治療法やワクチンのない本感染症は、感染予防策が重要になる。今回迅速キットを用いて早期に発症を確認し、個室隔離や病室移動を禁止するなどの対策を講じることで、感染拡大をある程度抑えることが出来た。結論hMPVは感染力が強く、施設におけるアウトブレイクの一因と考えられ、早期の感染対策が重要と考えられた。 |
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ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.38.2_303_2 |