O-1-C-22 医療型障害児入所施設への超重症児の入所にあたって: 脳死が疑われる児の施設入所検討経過報告
はじめに新生児医療や救急医療等の進歩により、今まで救命できなかった児が救命されるが、重度の後遺症を負い、高度な医療的ケアや家庭の状況によっては在宅療養困難なことも多い。当施設は、急性期総合病院の中に併設されているという特殊な実情から、超重症児者の入所も多い。今回、脳死状態が疑われる児の長期入所依頼を受け、家族や関係機関と慎重に入所を検討した経過を報告し、入所に対しての医療や福祉の連携について考察したので報告する。事例1虐待による低酸素脳症および治療経過で状態悪化のあった2歳男児。在宅療養困難なために病院入院中で、児童相談所より長期施設入所の依頼があった。脳死状態が疑われたが、入所にあたり父と面...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本重症心身障害学会誌 2013, Vol.38(2), pp.284-284 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | はじめに新生児医療や救急医療等の進歩により、今まで救命できなかった児が救命されるが、重度の後遺症を負い、高度な医療的ケアや家庭の状況によっては在宅療養困難なことも多い。当施設は、急性期総合病院の中に併設されているという特殊な実情から、超重症児者の入所も多い。今回、脳死状態が疑われる児の長期入所依頼を受け、家族や関係機関と慎重に入所を検討した経過を報告し、入所に対しての医療や福祉の連携について考察したので報告する。事例1虐待による低酸素脳症および治療経過で状態悪化のあった2歳男児。在宅療養困難なために病院入院中で、児童相談所より長期施設入所の依頼があった。脳死状態が疑われたが、入所にあたり父と面談すると、病状の理解がされておらず、入院中の病院へ父への病状説明を依頼した。その後、父は今後の集中治療を希望せず入所を選択された。入所に向けての準備をすすめる中、児は病状が急変し永眠された。事例2インフルエンザ菌による敗血症・髄膜炎によるショック時に心肺停止となり蘇生後脳症となった9歳女児。在宅療養困難なために病院入院中で、児童相談所より長期施設入所の依頼があった。脳死状態が疑われたが、入所にあたり両親と面談すると、病状の理解が曖昧であったため、入院中の病院へ両親への再度病状説明を依頼した。その後、両親は入所を希望されるものの、病状変化時の迅速な集中治療も強く希望された。児童相談所を交え複数回の面談の後、施設での生活は児にとって急変リスクが高く、家族の意向を考慮すると施設の医療体制では受け入れ困難と判断した。考案・結語今回の事例ではまず初回面談時、家族が正確に病状を理解していない問題があった。また、病院側の状態安定の見解と、施設側の入所生活が可能かの判断は一致していない印象であった。急性期医療チームと入所施設職員の連携の必要性も今後の課題と考えた。 |
---|---|
ISSN: | 1343-1439 2433-7307 |
DOI: | 10.24635/jsmid.38.2_284_2 |