O-1-A-22 重症心身障害児者通園が果たしてきた役割:モデル事業からの23年間の経験

はじめに重症児者通園は1989年にモデル事業として始まり、今回の制度改革で法定化され生活介護事業と児童発達支援事業に移行した。この変革期において今迄の重症児者通園が果たしてきた役割についてまとめておくことは重要であり、新たな制度への提言という点でも意味があると考える。対象・方法モデル事業から実施している全国5施設において、23年間の通園活動の実態調査を行った。調査内容は、利用者数(経年的変化)利用者の状態(障害重症度・大島分類、基礎疾患など)、利用期間(開始・終了年齢)、最終転帰、医療ケアおよび療育内容などである。結果1)利用者数:5施設で延べ782名の利用があり、定員の3〜5倍を受入れており...

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Veröffentlicht in:日本重症心身障害学会誌 2013, Vol.38(2), pp.258-258
Hauptverfasser: 小西, 徹, 平元, 東, 根津, 敦夫, 片山, 雅博, 宮崎, 信義, 末光, 茂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに重症児者通園は1989年にモデル事業として始まり、今回の制度改革で法定化され生活介護事業と児童発達支援事業に移行した。この変革期において今迄の重症児者通園が果たしてきた役割についてまとめておくことは重要であり、新たな制度への提言という点でも意味があると考える。対象・方法モデル事業から実施している全国5施設において、23年間の通園活動の実態調査を行った。調査内容は、利用者数(経年的変化)利用者の状態(障害重症度・大島分類、基礎疾患など)、利用期間(開始・終了年齢)、最終転帰、医療ケアおよび療育内容などである。結果1)利用者数:5施設で延べ782名の利用があり、定員の3〜5倍を受入れており医療福祉圏域を越えた支援を展開していた。2)利用者の障害像:狭義重症心身障害が86.8%を占め、超・準超重症児者も合わせて23.4%と入所者とほぼ同等であった。障害重症度は年々重度化する傾向があり、特に、2008年頃からは呼吸器管理のケースが急増している(NICU後方支援)。3)利用状況:継続利用45.1%、施設入所に移行15.7%、死亡13.8%、その他(就学、転居など)25.3%であった。利用開始年齢は施設により若干異なるが6歳未満26.9%(児童発達支援)と18〜24歳28.2%(生活介護)に2つのピークがあった。利用期間は転帰により若干異なるが平均7〜12年間で15年以上継続例が30%を占め、利用は長期間にわたっていた。4)通園活動:障害重症度や年齢・ライフステージに添っていろいろの療育活動が展開されており、通園が日常生活の一部になっているケースが多かった。結語重症児者通園は在宅支援の中核的な役割を担っていることは間違いない。そして、重度障害例がほとんどであることから、重症児者通園では「日中活動の場」+「療育・訓練の場」+「健康維持・医療の場」が揃っていることが必須条件であり、人員配置や重症加算などへの配慮が求められる。
ISSN:1343-1439
2433-7307
DOI:10.24635/jsmid.38.2_258_2