唾液エキソソームの構造と安定性

「1. はじめに」エキソソーム (exosome, エクソソーム) は細胞外に分泌される小胞 (extracellular vesicles, 細胞外小胞) の1つで, 直径が30~150nmの膜小胞である. 1980年代に網状赤血球が赤血球に成熟する過程に分泌される小胞として発見された. そのため, 細胞内の不要な成分を細胞外に放出する機構と考えられていたが, 免疫細胞由来エキソソームが抗原提示能を示すことが報告されてから, その役割が注目されるようになった. さらに2007年に, エキソソーム内部にmRNAおよびmiRNAなどの核酸が存在し, 他の細胞に取り込まれてmRNAが翻訳されること...

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Veröffentlicht in:日本唾液腺学会誌 2018-11, Vol.59, p.33-39
Hauptverfasser: 矢ノ下良平, 小川裕子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」エキソソーム (exosome, エクソソーム) は細胞外に分泌される小胞 (extracellular vesicles, 細胞外小胞) の1つで, 直径が30~150nmの膜小胞である. 1980年代に網状赤血球が赤血球に成熟する過程に分泌される小胞として発見された. そのため, 細胞内の不要な成分を細胞外に放出する機構と考えられていたが, 免疫細胞由来エキソソームが抗原提示能を示すことが報告されてから, その役割が注目されるようになった. さらに2007年に, エキソソーム内部にmRNAおよびmiRNAなどの核酸が存在し, 他の細胞に取り込まれてmRNAが翻訳されることが明らかになってから, エキソソームは遺伝情報をも含む新しい細胞間情報伝達機構としてその重要性が増した.
ISSN:0916-1104