口腔多発癌15例の臨床的検討:随伴する口腔潜在的悪性疾患について
多発性の口腔扁平上皮癌について,口腔潜在的悪性疾患(OPMD)の随伴に注目して検討を行った。対象は2008年1月から2018年12月に当科で治療した15例で,同時性多発症例が4例,異時性多発症例が11例である。男女比は4:11と女性が多く,癌の発症部位は歯肉が最も多く,35個の癌病巣のうち17個(48.6%)を占めた。15例中11例(73.3%)が癌病巣と同部位または異なる部位にOPMDを伴っていた。随伴したOPMDは口腔扁平苔癬(OLP)が5例,口腔扁平苔癬様病変(OLL)が2例,口腔白板症が3例,口腔白板症と慢性肥厚性カンジダ症の併発が1例であった。OPMDと癌病巣の部位の一致率は63.0...
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Veröffentlicht in: | 頭頸部癌 2023, Vol.49(1), pp.9-14 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 多発性の口腔扁平上皮癌について,口腔潜在的悪性疾患(OPMD)の随伴に注目して検討を行った。対象は2008年1月から2018年12月に当科で治療した15例で,同時性多発症例が4例,異時性多発症例が11例である。男女比は4:11と女性が多く,癌の発症部位は歯肉が最も多く,35個の癌病巣のうち17個(48.6%)を占めた。15例中11例(73.3%)が癌病巣と同部位または異なる部位にOPMDを伴っていた。随伴したOPMDは口腔扁平苔癬(OLP)が5例,口腔扁平苔癬様病変(OLL)が2例,口腔白板症が3例,口腔白板症と慢性肥厚性カンジダ症の併発が1例であった。OPMDと癌病巣の部位の一致率は63.0%であり,口腔白板症と慢性肥厚性カンジダ症は一致率が高かった。喫煙・飲酒習慣を有する症例は3例のみであった。今回の検索から,口腔多発癌は単発性の口腔癌とは異なる臨床背景を有し,OPMDの随伴が口腔癌の多発に関係していた。 |
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ISSN: | 1349-5747 1881-8382 |
DOI: | 10.5981/jjhnc.49.9 |