放射線性頭蓋底骨壊死3症例

放射線性骨壊死は放射線治療の晩期有害事象の一つである。放射線性頭蓋底骨壊死3症例について,文献的考察を加え報告する。症例1:55歳男性 上咽頭癌に定位放射線治療後6ヶ月で上咽頭壊死が出現した。生検で悪性所見なく,頭蓋底骨壊死として抗菌薬投与後は症状改善したが,その24ヶ月後に症状が再燃した。以降は現在まで抗菌薬投与継続し,安定している。 症例2:78歳男性 上咽頭癌に強度変調放射線治療後5ヶ月頃,上咽頭壊死と頭痛が出現した。頭蓋底骨壊死として抗菌薬が開始され,現在まで投与継続し,安定している。 症例3:55歳男性 篩骨洞癌にシスプラチン+強度変調放射線治療後8ヶ月頃,蝶形骨壊死と頭痛が出現した...

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Veröffentlicht in:頭頸部癌 2022, Vol.48(4), pp.323-329
Hauptverfasser: 木谷, 卓史, 三谷, 壮平, 佐藤, 恵里子, 羽藤, 直人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:放射線性骨壊死は放射線治療の晩期有害事象の一つである。放射線性頭蓋底骨壊死3症例について,文献的考察を加え報告する。症例1:55歳男性 上咽頭癌に定位放射線治療後6ヶ月で上咽頭壊死が出現した。生検で悪性所見なく,頭蓋底骨壊死として抗菌薬投与後は症状改善したが,その24ヶ月後に症状が再燃した。以降は現在まで抗菌薬投与継続し,安定している。 症例2:78歳男性 上咽頭癌に強度変調放射線治療後5ヶ月頃,上咽頭壊死と頭痛が出現した。頭蓋底骨壊死として抗菌薬が開始され,現在まで投与継続し,安定している。 症例3:55歳男性 篩骨洞癌にシスプラチン+強度変調放射線治療後8ヶ月頃,蝶形骨壊死と頭痛が出現した。抗菌薬が投与され,症状は改善したが,その12ヶ月後,内頸動脈破裂により急死した。 頭蓋底骨壊死には抗菌薬の長期投与が必須である。また,内頸動脈破裂による急死の可能性を十分に説明する必要がある。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.48.323