再発・転移頭頸部癌に対する網羅的がんゲノム解析と臨床的有用性

頭頸部癌患者14例18件に対しFoundationOne CDxなどのがん遺伝子パネル検査を使用し,組織検体15件(83.3%),血液検体3件(16.6%)における遺伝子変異の解析を行った。原発部位別では,舌癌が6例(42.8%)と最多で,検出された遺伝子変異としてはTP53,TERT promoter,CDKN2Aなどであり,全ゲノム解析を用いた既報と矛盾しない結果となった。14例のうち,治療候補があった症例は11 例(78.6%)であったが,実際に遺伝子パネル検査に基づいて治療を行った症例は2例(14.3%)であり治療薬へのアクセス率の向上が今後の課題となった。また,TMB(Tumor M...

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Veröffentlicht in:頭頸部癌 2021, Vol.47(4), pp.359-365
Hauptverfasser: 遠山, 皓基, 加納, 嘉人, 野地, 理夏, 青柳, 康子, 松寺, 翔太郎, 大野, 十央, 有泉, 陽介, 道, 泰之, 富岡, 寛文, 島本, 裕彰, 吉村, 亮一, 朝蔭, 孝宏, 原田, 浩之, 三宅, 智, 三浦, 雅彦, 池田, 貞勝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:頭頸部癌患者14例18件に対しFoundationOne CDxなどのがん遺伝子パネル検査を使用し,組織検体15件(83.3%),血液検体3件(16.6%)における遺伝子変異の解析を行った。原発部位別では,舌癌が6例(42.8%)と最多で,検出された遺伝子変異としてはTP53,TERT promoter,CDKN2Aなどであり,全ゲノム解析を用いた既報と矛盾しない結果となった。14例のうち,治療候補があった症例は11 例(78.6%)であったが,実際に遺伝子パネル検査に基づいて治療を行った症例は2例(14.3%)であり治療薬へのアクセス率の向上が今後の課題となった。また,TMB(Tumor Mutational Burden)が高値を示した3症例のうち2例で免疫チェックポイント阻害剤による奏効が得られ,TMBが頭頸部癌の実臨床における新たなバイオマーカーとして有用である可能性が示唆された。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.47.359