頭頸部領域に発生した放射線誘発悪性腫瘍

今回われわれは放射線誘発悪性腫瘍の一例を経験したので報告する。放射線誘発悪性腫瘍は放射線療法後,照射部位に一致して発生する悪性腫瘍である。潜伏期間が長期に及ぶため,実態は十分解明されていない。近年増加傾向の強度変調放射線療法(IMRT)では多くの正常組織が放射線に曝されるため放射線誘発悪性腫瘍の発生率は従来の2倍に上昇すると推定されている。自験例はIMRTではなく従来の放射線療法後の発症であるが,今後,IMRTや化学放射線療法の増加により放射線誘発悪性腫瘍が増加する可能性は高い。常日頃からの患者教育と地域医療機関との強固な連携が必要不可欠であると啓発すべきである。...

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Veröffentlicht in:頭頸部癌 2021, Vol.47(1), pp.83-88
Hauptverfasser: 秋定, 直樹, 門田, 伸也, 青井, 二郎, 林, 祐志, 髙橋, 紗央里, 中村, 匡孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回われわれは放射線誘発悪性腫瘍の一例を経験したので報告する。放射線誘発悪性腫瘍は放射線療法後,照射部位に一致して発生する悪性腫瘍である。潜伏期間が長期に及ぶため,実態は十分解明されていない。近年増加傾向の強度変調放射線療法(IMRT)では多くの正常組織が放射線に曝されるため放射線誘発悪性腫瘍の発生率は従来の2倍に上昇すると推定されている。自験例はIMRTではなく従来の放射線療法後の発症であるが,今後,IMRTや化学放射線療法の増加により放射線誘発悪性腫瘍が増加する可能性は高い。常日頃からの患者教育と地域医療機関との強固な連携が必要不可欠であると啓発すべきである。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.47.83