救済経口的手術後に重篤な遅発性出血を生じた再発中咽頭癌の1例
咽喉頭癌に対する経口的咽喉頭部分切除術(Transoral Videolaryngoscopic Surgery:TOVS)は,低侵襲で比較的安全な機能温存手術であるが,救済手術として適切かどうかの評価は定まっていない。今回我々は,放射線治療後再発病変に対して低侵襲な救済手術を意図してTOVSを行ったが,重篤な遅発性出血を来した症例を経験したので報告する。 患者は68歳の男性。中咽頭前壁癌に対して8年前に化学放射線療法を施行した。外来で経過観察中,左喉頭蓋谷にT1の再発病変を認めたため TOVSを施行した。しかし,16日目に術後出血により窒息を来したため,病棟で緊急気管切開を施行し,さらに全身...
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Veröffentlicht in: | 頭頸部癌 2020, Vol.46(4), pp.401-405 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 咽喉頭癌に対する経口的咽喉頭部分切除術(Transoral Videolaryngoscopic Surgery:TOVS)は,低侵襲で比較的安全な機能温存手術であるが,救済手術として適切かどうかの評価は定まっていない。今回我々は,放射線治療後再発病変に対して低侵襲な救済手術を意図してTOVSを行ったが,重篤な遅発性出血を来した症例を経験したので報告する。 患者は68歳の男性。中咽頭前壁癌に対して8年前に化学放射線療法を施行した。外来で経過観察中,左喉頭蓋谷にT1の再発病変を認めたため TOVSを施行した。しかし,16日目に術後出血により窒息を来したため,病棟で緊急気管切開を施行し,さらに全身麻酔下止血術を行って救命しえた。その後18ヶ月間,喉頭機能は温存され,無病生存している。 TOVSは機能温存手術として,初回治療のみでなく救済治療へも適用しうる。しかし,特に放射線治療後症例においては致死的出血のリスクがあるため,慎重な症例選択や対処が必要であると考える。 |
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ISSN: | 1349-5747 1881-8382 |
DOI: | 10.5981/jjhnc.46.401 |