耳下腺癌に対する術式分類試案

耳下腺腫瘍に対する手術は,腫瘍の完全切除と顔面神経の処理が重要である。耳下腺腫瘍に対する局所切除術式について明確なものがなかった。耳下腺癌では,腫瘍の大きさと悪性度を考慮にいれる必要がある。さらには顔面神経の処理によって耳下腺切除範囲は変わってくる。そこで我々が過去20年間に手術を施行した耳下腺癌186例を考察して,耳下腺腫瘍に対する術式を8つに分類した。すなわち小さな切除から,核出術,被膜外摘出術,葉部分切除術,葉摘出術,下半切除術,亜全摘術,全摘術,拡大全摘術とした。このうち,下半切除術はこれまでの報告にない術式であるが,下極に腫瘍が存在する低/中悪性癌の良い適応である。術式の記載は局所切...

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Veröffentlicht in:頭頸部癌 2020, Vol.46(3), pp.270-273
Hauptverfasser: 河田, 了, 東野, 正明, 西川, 周治, 寺田, 哲也
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:耳下腺腫瘍に対する手術は,腫瘍の完全切除と顔面神経の処理が重要である。耳下腺腫瘍に対する局所切除術式について明確なものがなかった。耳下腺癌では,腫瘍の大きさと悪性度を考慮にいれる必要がある。さらには顔面神経の処理によって耳下腺切除範囲は変わってくる。そこで我々が過去20年間に手術を施行した耳下腺癌186例を考察して,耳下腺腫瘍に対する術式を8つに分類した。すなわち小さな切除から,核出術,被膜外摘出術,葉部分切除術,葉摘出術,下半切除術,亜全摘術,全摘術,拡大全摘術とした。このうち,下半切除術はこれまでの報告にない術式であるが,下極に腫瘍が存在する低/中悪性癌の良い適応である。術式の記載は局所切除術式とともに,顔面神経の処理法,頸部郭清の有無とその範囲,再建の有無について記載すべきである。これらの記載を正確にすることが,転帰成績の検討のみならず,再発時の対応等に有効であると考えられる。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.46.270