中咽頭側壁癌治療における経口的手術の役割

HPV関連癌の増加や経口的手術導入により中咽頭癌の治療方針に関する議論が沸騰している。経口的手術は,症例を選べば化学放射線治療より優れる点も多く急速に普及してきた。しかし術後に(化学)放射線治療を施行すると機能温存のメリットが損なわれるため,経口的手術の中咽頭側壁癌に対する絶対適応は術後照射を回避できるT1-2N0-1と考える。HPV陰性癌に関しては治療成績の面でも経口的手術の優位性が示唆される。T3-4およびN2-3症例については,良好な治療成績も散見されるが,機能温存の面でも真に有用であるか今後の研究蓄積を待たねばならない。原発不明癌に対する経口的手術による口蓋・舌根扁桃切除は,原発巣同定...

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Veröffentlicht in:頭頸部癌 2018, Vol.44(3), pp.263-268
Hauptverfasser: 山下, 拓, 宮本, 俊輔, 清野, 由輩, 岡本, 旅人, 松木, 崇, 加納, 孝一, 堤, 翔平, 鈴木, 綾子, 籾山, 香保
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:HPV関連癌の増加や経口的手術導入により中咽頭癌の治療方針に関する議論が沸騰している。経口的手術は,症例を選べば化学放射線治療より優れる点も多く急速に普及してきた。しかし術後に(化学)放射線治療を施行すると機能温存のメリットが損なわれるため,経口的手術の中咽頭側壁癌に対する絶対適応は術後照射を回避できるT1-2N0-1と考える。HPV陰性癌に関しては治療成績の面でも経口的手術の優位性が示唆される。T3-4およびN2-3症例については,良好な治療成績も散見されるが,機能温存の面でも真に有用であるか今後の研究蓄積を待たねばならない。原発不明癌に対する経口的手術による口蓋・舌根扁桃切除は,原発巣同定と放射線治療の軽減,および生存率向上に寄与するとの報告もみられる。経口的手術は安全性も比較的高いが,術後出血により致命的になる可能性も認識し,丁寧な止血操作や精細な術後管理を行うことも重要である。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.44.263