甲状腺未分化癌の予後因子に関する検討

甲状腺未分化癌は極めて予後不良な疾患であるが治療により長期生存が得られる症例も存在する。積極的な治療の適応を判断するため予後因子に関して検討した。今回われわれは,2007年4月~2015年12月までに当科で経験した甲状腺未分化癌21例を対象にPrognostic Index(PI),炎症性マーカー,免疫チェックポイント分子,根治手術の有無で層別化を行い生存期間を検討した。炎症マーカーであるCOP-NLR(combination of platelet count and neutrophil-lymphocyte ratio)で2群にわけて検討したところ,低値群は有意に予後が延長していた(p=...

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Veröffentlicht in:頭頸部癌 2017/12/25, Vol.43(4), pp.483-487
Hauptverfasser: 大庭, 晋, 小柏, 靖直, 井上, 準, 久場, 潔実, 南, 和彦, 蝦原, 康宏, 中平, 光彦, 菅澤, 正
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:甲状腺未分化癌は極めて予後不良な疾患であるが治療により長期生存が得られる症例も存在する。積極的な治療の適応を判断するため予後因子に関して検討した。今回われわれは,2007年4月~2015年12月までに当科で経験した甲状腺未分化癌21例を対象にPrognostic Index(PI),炎症性マーカー,免疫チェックポイント分子,根治手術の有無で層別化を行い生存期間を検討した。炎症マーカーであるCOP-NLR(combination of platelet count and neutrophil-lymphocyte ratio)で2群にわけて検討したところ,低値群は有意に予後が延長していた(p=0.02)。また,根治手術施行群と非施行群では生存期間に有意差を認めた(15.4ヶ月,2.6ヶ月;p<0.001)。根治手術を施行した9例の検討では,PI,炎症性マーカー高値群で予後不良となる傾向がみられた。PD-L1の発現を検討できた11例中6例(54.5%)で陽性となった。以上よりPI,炎症マーカーは予後予測に有用である可能性が示唆された。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.43.483