経頸部法で切除した上咽頭進展中咽頭後壁癌例

上咽頭は顔面深部に位置し,手術での到達が難しい。経頸部到達法では顎下部から副咽頭間隙を経由して手術を進める。しかし,特に下顎骨を離断しない場合の操作手順を説明した報告はない。本報告では,上咽頭に進展した中咽頭後壁癌cT3例を提示し,操作について詳述する。手術では顎下部からStyloid diaphragmおよび内側翼突筋の筋膜に沿って剥離を進めた。茎状突起関連筋(茎突舌骨筋,茎突舌筋,茎突咽頭筋),耳管関連筋(口蓋帆挙筋,口蓋帆張筋),咽頭頭底板を順次同定した。咽頭側壁を広く展開した後,腫瘍を一塊に摘出した。粘膜欠損部は遊離空腸弁で再建した。経口摂取を維持するために喉頭枠組みを除去し声門下粘膜...

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Veröffentlicht in:頭頸部癌 2017/04/25, Vol.43(1), pp.23-27
Hauptverfasser: 本多, 啓吾, 安里, 亮, 辻, 純, 宮﨑, 眞和, 嘉田, 真平, 辻村, 隆司, 片岡, 通子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:上咽頭は顔面深部に位置し,手術での到達が難しい。経頸部到達法では顎下部から副咽頭間隙を経由して手術を進める。しかし,特に下顎骨を離断しない場合の操作手順を説明した報告はない。本報告では,上咽頭に進展した中咽頭後壁癌cT3例を提示し,操作について詳述する。手術では顎下部からStyloid diaphragmおよび内側翼突筋の筋膜に沿って剥離を進めた。茎状突起関連筋(茎突舌骨筋,茎突舌筋,茎突咽頭筋),耳管関連筋(口蓋帆挙筋,口蓋帆張筋),咽頭頭底板を順次同定した。咽頭側壁を広く展開した後,腫瘍を一塊に摘出した。粘膜欠損部は遊離空腸弁で再建した。経口摂取を維持するために喉頭枠組みを除去し声門下粘膜を閉鎖した。術後経過は,介入なく治癒した顔面麻痺を除き問題なかった。上咽頭への経頸部到達法は系統的に行うことができ,上咽頭に進展した中咽頭癌にたいして有用である。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.43.23