日本語版DASHを用いた保存的頸部郭清術後のQOL評価
【目的】頸部郭清術後のQOLは,関節可動域や筋力低下等の他覚所見のみならず,痛みなどの自覚症状も含めた評価が必要である。今回我々は,副神経を温存した頸部郭清術後の肩障害やQOLの追跡にあたり,自覚的指標も評価可能な日本語版Disability of the Arm, Shoulder and Hand (以下DASH) の有用性につき検討した。 【対象と方法】レベル II , III を含む保存的頸部郭清術を施行後の45名 (63側) を対象とした。副神経は全例で保存されていた。年齢は26~83歳 (中央値66歳),性別は男性36名女性9名で,術後経過期間は183~706日 (中央値433日)...
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Veröffentlicht in: | 頭頸部癌 2015/12/25, Vol.41(4), pp.458-463 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】頸部郭清術後のQOLは,関節可動域や筋力低下等の他覚所見のみならず,痛みなどの自覚症状も含めた評価が必要である。今回我々は,副神経を温存した頸部郭清術後の肩障害やQOLの追跡にあたり,自覚的指標も評価可能な日本語版Disability of the Arm, Shoulder and Hand (以下DASH) の有用性につき検討した。 【対象と方法】レベル II , III を含む保存的頸部郭清術を施行後の45名 (63側) を対象とした。副神経は全例で保存されていた。年齢は26~83歳 (中央値66歳),性別は男性36名女性9名で,術後経過期間は183~706日 (中央値433日) であった。DASHを用いてQOLに関するアンケート調査をおこなった。調査は手術から半年以上経過してからおこなわれた。 【結果】DASH score平均は16.0点で,重症度別に全く障害のない0点は9名 (20%),1~33点の軽症例は28名 (62%),34~67点の中症例は7名 (16%),68~100点の重症例は1名 (2%) であった。上肢機能不全を反映する生活諸動作の低下や痛みやこわばり感による障害がscoreに反映されていた。 【結論】保存的頸部郭清術においても,長期にわたりDASH scoreの悪い症例が認められた。症例によっては入院期間中のみならず,退院後においても継続したリハビリ介入の必要性が示唆された。 |
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ISSN: | 1349-5747 1881-8382 |
DOI: | 10.5981/jjhnc.41.458 |