腋窩動脈送血によるPCPS補助下に手術した甲状腺癌手術の1例
気道確保が困難な甲状腺癌手術において,経皮的心肺補助装置(percutaneous cardiopulmonary support:以下PCPS)を用いた気道確保は有用な手段である。今回我々は腋窩動脈より送血し,PCPSを用いて甲状腺癌手術を行った症例を報告する。 症例は67歳女性で,甲状腺癌による著明な気道狭窄症状を呈しており,腫瘍圧迫による気管最狭窄部の直径は3.7mmであった。甲状腺全摘術を予定したが,麻酔導入の際の気管内挿管や気管切開は困難と考え,PCPSを利用することにした。脳へより酸素化された血液を供給するために右腋窩動脈よりの送血を選択した。PCPSを開始したのちに,麻酔導入し内...
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Veröffentlicht in: | 頭頸部癌 2015/10/25, Vol.41(3), pp.380-385 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 気道確保が困難な甲状腺癌手術において,経皮的心肺補助装置(percutaneous cardiopulmonary support:以下PCPS)を用いた気道確保は有用な手段である。今回我々は腋窩動脈より送血し,PCPSを用いて甲状腺癌手術を行った症例を報告する。 症例は67歳女性で,甲状腺癌による著明な気道狭窄症状を呈しており,腫瘍圧迫による気管最狭窄部の直径は3.7mmであった。甲状腺全摘術を予定したが,麻酔導入の際の気管内挿管や気管切開は困難と考え,PCPSを利用することにした。脳へより酸素化された血液を供給するために右腋窩動脈よりの送血を選択した。PCPSを開始したのちに,麻酔導入し内径5mmの気管チューブを経口挿管した。その後甲状腺全摘と両側頸部郭清し,気管軟骨の一部を合併切除した。気管切開したのちにPCPSは終了としたが,PCPS利用中は脳の酸素化は十分に行えた。 |
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ISSN: | 1349-5747 1881-8382 |
DOI: | 10.5981/jjhnc.41.380 |