中咽頭扁平上皮癌とp16免疫染色における統計学的検討

中咽頭扁平上皮癌根治例64例につき,p16免疫染色を中心に治療成績を検討した。疾患特異的3年生存率は71%であった。手術群ではp16陽性例・陰性例の3年生存率はそれぞれ90%,68%で有意差は認めなかった(p=0.35)。一方照射群では,3年生存率はそれぞれ91%,45%で,p16陰性例は陽性例に比べて有意に予後不良であった(p=0.04)。初回治療後の局所再発はp16陰性照射例で有意に高率であった。p16陰性の進行癌では切除可能例であれば根治照射よりも手術が予後を改善させる可能性があると考えられた。 多変量解析では,p16免疫染色,T因子が有意な予後因子であった。喫煙歴・飲酒歴は統計学的有意...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:頭頸部癌 2015/04/25, Vol.41(1), pp.57-62
Hauptverfasser: 久場, 潔実, 蝦原, 康宏, 井上, 準, 林, 崇弘, 松村, 聡子, 高城, 文彦, 盛田, 恵, 中平, 光彦, 菅澤, 正
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:中咽頭扁平上皮癌根治例64例につき,p16免疫染色を中心に治療成績を検討した。疾患特異的3年生存率は71%であった。手術群ではp16陽性例・陰性例の3年生存率はそれぞれ90%,68%で有意差は認めなかった(p=0.35)。一方照射群では,3年生存率はそれぞれ91%,45%で,p16陰性例は陽性例に比べて有意に予後不良であった(p=0.04)。初回治療後の局所再発はp16陰性照射例で有意に高率であった。p16陰性の進行癌では切除可能例であれば根治照射よりも手術が予後を改善させる可能性があると考えられた。 多変量解析では,p16免疫染色,T因子が有意な予後因子であった。喫煙歴・飲酒歴は統計学的有意差を認めなかったが,p16陽性でも喫煙・飲酒歴のある場合には予後が低下する傾向がみられた。p16免疫染色結果ならびに喫煙・飲酒歴をもとに治療方針を決定していくことが予後の改善に繋がると考えられた。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.41.57