既頸部郭清例における遊離組織移植の検討

頸部郭清の既往のある患者において,瘢痕内で移植床血管を求めるのは困難を伴うため,前回の頸部郭清とは対側の血管を使用することが多い。当院では顕微鏡下での鋭的剥離により瘢痕内の血管でも剥離露出が可能と考え,同側瘢痕内の移植床血管を選択している。当院における頸部郭清後の再手術患者における移植床血管選択について検討した。2011年1月から2014年5月に当院において遊離組織移植にて頭頸部再建を行った口腔,中咽頭,上顎癌患者で既頸部郭清例22例を対象とした。22例中13例が同側で,8例は対側にて移植床血管を求めた。1例は術中有茎皮弁に変更した。全例皮弁は生着した。顕微鏡下に愛護的に剥離することにより,瘢...

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Veröffentlicht in:頭頸部癌 2014/12/25, Vol.40(4), pp.502-506
Hauptverfasser: 中村, 亮太, 兵藤, 伊久夫, 奥村, 誠子, 澤本, 尚哉, 桑田, 知幸, 亀井, 譲
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:頸部郭清の既往のある患者において,瘢痕内で移植床血管を求めるのは困難を伴うため,前回の頸部郭清とは対側の血管を使用することが多い。当院では顕微鏡下での鋭的剥離により瘢痕内の血管でも剥離露出が可能と考え,同側瘢痕内の移植床血管を選択している。当院における頸部郭清後の再手術患者における移植床血管選択について検討した。2011年1月から2014年5月に当院において遊離組織移植にて頭頸部再建を行った口腔,中咽頭,上顎癌患者で既頸部郭清例22例を対象とした。22例中13例が同側で,8例は対側にて移植床血管を求めた。1例は術中有茎皮弁に変更した。全例皮弁は生着した。顕微鏡下に愛護的に剥離することにより,瘢痕周囲内でも移植床血管を安全に剥離することができた。同側の移植床血管を使用することで,欠損からの距離が近く,組織の充填も十分に行うことができ,有用であると考える。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.40.502