超音波断層法による頭頸部癌頸部リンパ節転移の診断の検討

術前の頸部リンパ節転移の評価は重要であり,正確な診断が求められている。今回当科における頸部リンパ節転移の超音波断層法(以下エコー)による診断の評価を行った。 対象は2012年1月~12月までに頸部エコーを施行した頭頸部扁平上皮癌症例のうち術前治療を行わずに頸部郭清術を行った62症例88側のリンパ節転移の検出率について検討した。結果は感度61%,特異度97%,正診率90%であった。内部エコーの所見を含めて診断した場合,リンパ節の厚みのみにより診断した場合に比べ正診率は良好であった。また,内部評価をしやすい口腔癌は咽頭癌と比べ正診率が良好であった。偽陰性となったリンパ節の特徴として,(1)角化およ...

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Veröffentlicht in:頭頸部癌 2014/04/25, Vol.40(1), pp.81-86
Hauptverfasser: 北野, 睦三, 佐々木, 徹, 日高, 竜太, 山田, 南星, 志村, 英二, 福岡, 修, 富樫, 孝文, 小倉, 真理子, 蛯名, 彩, 神山, 亮介, 小泉, 雄, 瀬戸, 陽, 戸田, 和寿, 新橋, 渉, 福島, 啓文, 米川, 博之, 三谷, 浩樹, 佐藤, 由紀子, 寺尾, 恭一, 土井, 勝美, 川端, 一嘉
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:術前の頸部リンパ節転移の評価は重要であり,正確な診断が求められている。今回当科における頸部リンパ節転移の超音波断層法(以下エコー)による診断の評価を行った。 対象は2012年1月~12月までに頸部エコーを施行した頭頸部扁平上皮癌症例のうち術前治療を行わずに頸部郭清術を行った62症例88側のリンパ節転移の検出率について検討した。結果は感度61%,特異度97%,正診率90%であった。内部エコーの所見を含めて診断した場合,リンパ節の厚みのみにより診断した場合に比べ正診率は良好であった。また,内部評価をしやすい口腔癌は咽頭癌と比べ正診率が良好であった。偽陰性となったリンパ節の特徴として,(1)角化および変性物や壊死の少ないもの(2)転移病巣がリンパ門から離れて存在するもの(3)びまん性に腫瘍が存在するものが示唆された。エコーは頸部リンパ節転移の診断に有効な検査であるが,その診断能には限界がある。そのためCT,MRI,PET等その他のモダリティーや穿刺吸引細胞診による質的診断を併用して正診率を向上させていくことが重要であると考えられた。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.40.81