中足趾節関節の背屈運動が可能なソールを内装した油圧調整式短下肢装具による脳卒中片麻痺者の蹴り出しの変化

我々は,脳卒中片麻痺者(片麻痺者)の蹴り出し改善を目的に,中足趾節関節の背屈が可能なソールを開発した.本研究の目的は,開発したソールが片麻痺者の蹴り出し改善に寄与するか検討することである.対象は自立歩行が可能な片麻痺者10名である.これらの対象者に,既存の油圧調整式短下肢装具(従来型)と我々が考案したソールを内装したもの(改良型)を用意し,歩行動作を記録した.その結果,改良型は従来型と比較し,前遊脚期の足関節底屈抵抗トルクが有意に増加した  (p<0.01).さらに,単脚支持期における腓腹筋の最大振幅値が有意に増加した  (p<0.01).これらの知見から,中足趾節関節の背屈運動が可能なソール...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本義肢装具学会誌 2023/10/01, Vol.39(4), pp.308-314
Hauptverfasser: 古屋, 美紀, 鈴木, 淳也, 斎藤, 聡佳, 瀧川, 順庸, 神尾, 昭宏, 藤田, 暢一, 米津, 亮, 宮谷, 定行, 淵岡, 聡, 清水, 順市, 平田, 恵介, 藤本, 庸浩
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:我々は,脳卒中片麻痺者(片麻痺者)の蹴り出し改善を目的に,中足趾節関節の背屈が可能なソールを開発した.本研究の目的は,開発したソールが片麻痺者の蹴り出し改善に寄与するか検討することである.対象は自立歩行が可能な片麻痺者10名である.これらの対象者に,既存の油圧調整式短下肢装具(従来型)と我々が考案したソールを内装したもの(改良型)を用意し,歩行動作を記録した.その結果,改良型は従来型と比較し,前遊脚期の足関節底屈抵抗トルクが有意に増加した  (p<0.01).さらに,単脚支持期における腓腹筋の最大振幅値が有意に増加した  (p<0.01).これらの知見から,中足趾節関節の背屈運動が可能なソールによって,歩行中に効率的な足関節底屈運動を導引し,片麻痺患者の力強い蹴り出しに寄与することが示唆された.
ISSN:0910-4720
1884-0566
DOI:10.11267/jspo.39.308