術前洗眼における吸水シートの有用性～一人でできる洗眼をめざして

「要旨」目的 : 術前洗眼における吸水シートの有用性を検討する. 方法 : 洗眼液の滴下条件 (高さ, 速度) の再現性を確保する手段として作成した洗眼補助具を用いて, 生理食塩液を滴下し, 受水器と吸水シートそれぞれを使用して洗眼し, 比較した. 洗眼後, アンケート調査を行った. 結果 : 受水器と吸水シートの不快感や痛みに大きな差はなく, 吸水シートを使用した方が洗眼液の漏れが少なかった. 考察 : A病院で使用しているパルプ製の受水器は, 接触面がやわらかく, 金属性の受水器と比べて, 不快感や痛みが少ないと考えられる. 吸水シートもパルプ製の受水器 (以下受水器) と同様に, 接触面がやわらかいため, 不快感や痛みに大きな差が無かったと考えられる. 受水器は, 顔の輪郭と完全には一致していないため, 隙間が存在するが, 吸水シートは顔に貼付するため, 隙間はほとんど無い. そのため, 吸水シートは受水器よりも洗眼液の漏れが少なかったと考えられる.