災害時の発達障害をもつ子どもの居場所を支える学校における支援活動

「要約」本研究は, 災害時の発達障害をもつ子どもの居場所を支える学校における支援活動を明らかにすることを目的とした. 自然災害時において支援活動を経験したことのある養護教諭及び教諭5名に対して, 半構成的面接を行い, 質的帰納的に分析した. 分析の結果, 災害時における発達障害をもつ子どもの居場所を支える学校の支援活動はについて, 準備期, 急性期, 亜急性期, 慢性期の4つの災害時期ごとでまとめた. 準備期の支援活動は, 【日頃から子どもの特性を把握し災害時の対応を準備しておく】であった. 急性期の支援活動では, 【二次被害を防ぐために環境衛生を整える】【避難場所での保健室の機能を保つ】【子...

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Veröffentlicht in:高知女子大学看護学会誌 2022-12, Vol.48 (1), p.64-74
Hauptverfasser: 岡村夕里奈, 池添志乃
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要約」本研究は, 災害時の発達障害をもつ子どもの居場所を支える学校における支援活動を明らかにすることを目的とした. 自然災害時において支援活動を経験したことのある養護教諭及び教諭5名に対して, 半構成的面接を行い, 質的帰納的に分析した. 分析の結果, 災害時における発達障害をもつ子どもの居場所を支える学校の支援活動はについて, 準備期, 急性期, 亜急性期, 慢性期の4つの災害時期ごとでまとめた. 準備期の支援活動は, 【日頃から子どもの特性を把握し災害時の対応を準備しておく】であった. 急性期の支援活動では, 【二次被害を防ぐために環境衛生を整える】【避難場所での保健室の機能を保つ】【子どものいのちを守ることに尽くす】が含まれる. 亜急性期の支援活動では, 【避難所で子どもが周りから離れて過ごせる場を創る】【子どもが災害後に安心して過ごせる空間をつくる】【子どもの災害前の生活を守り抜く】【支援者が一枚岩となって特性に応じた災害時の支援を行う】【災害後の子どもの不安定さを丸ごと受け止める】が含まれる. 慢性期の支援行動では, 【子どもが災害と距離をおいてその子らしく居られる環境を整える】【災害によって生じる子どもの特性や気持ちの変化を理解する】【保健教育を通して災害による健康被害を予防する】【災害時における学校と関係機関とのつながりを保ち子どもと家族の支援を強化する】【子どもが人の役に立つ経験ができるようにする】【子どもの力の発揮を支え災害後の生活への適応を促す】が含まれる. 養護実践への示唆として, 「子どもや家族に関わる教職員や関係機関のチームの力を強化する」「子どもや家族の心身の状態や持っている力を見極める」視点が得られた.
ISSN:1345-0433