新型コロナウイルス感染症拡大下の遠隔授業における看護系大学学生の自己調整学習方略

「要約」【目的】新型コロナウイルス感染症拡大下の看護学生の自己調整学習方略の使用状況と授業の満足度および授業全体に対する遠隔授業の割合を調査し, それらおよびそれらの関係性を明らかにし, 看護学生の今後の遠隔授業の主体的な学びを支える示唆を得る. 【方法】日本看護系大学協議会の会員校290校に在籍する1~4年生を研究対象者とした. 質問紙は, 学年, 遠隔授業の割合, 遠隔授業と対面授業の満足度, 自己調整学習方略から構成され, SurveyMonkeyを通し2022年3月~4月に調査した. 【結果】586件の回答があり, 回答に不備のあった調査票を除き, 578件の回答を分析対象とした. 自...

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Veröffentlicht in:高知女子大学看護学会誌 2022-12, Vol.48 (1), p.17-30
Hauptverfasser: 山田覚, 佐東美緒, 小原弘子, 大川宣容, 西内舞里
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「要約」【目的】新型コロナウイルス感染症拡大下の看護学生の自己調整学習方略の使用状況と授業の満足度および授業全体に対する遠隔授業の割合を調査し, それらおよびそれらの関係性を明らかにし, 看護学生の今後の遠隔授業の主体的な学びを支える示唆を得る. 【方法】日本看護系大学協議会の会員校290校に在籍する1~4年生を研究対象者とした. 質問紙は, 学年, 遠隔授業の割合, 遠隔授業と対面授業の満足度, 自己調整学習方略から構成され, SurveyMonkeyを通し2022年3月~4月に調査した. 【結果】586件の回答があり, 回答に不備のあった調査票を除き, 578件の回答を分析対象とした. 自己調整学習方略と対面および遠隔授業の満足度の関係が分析され, 『自己調整学習方略』を中心に「遠隔授業の満足度」と「対面授業の満足度」による構造モデルが構築された. 一連の検討を通し, 主体的な学びを支えるための自己調整学習方略の活用を促す示唆を得た. 【結論】学生は, 1年程度の受講経験では, 遠隔授業の利点が見出せなかった. 自己調整学習方略として, 大学の友人にたずねるなどが重要であった. 学習の優先順位を決めるなどの方略は, 受講や提出物の期限が緩やかである遠隔授業にとっては優先順位は低かったが, これら方略は遠隔授業の特徴から学生の自主性を向上させるような方略で, これら方略の実施度の向上が課題である. 遠隔授業の通信環境を考慮した『自己調整学習方略』→『授業の満足度』→「遠隔授業の満足度」→「11. 集中して学習できる場所がある」という循環パスの存在が認められ, 主体的な学びを支えるために, 遠隔授業のメリットを学生に説明するとともに, 教員はそれらメリットが活用できる授業設計をする必要がある. また, eラーニングツールなどを活用しながら, 学生に自己調整学習方略を獲得させ, 各方略の活用を促す必要がある.
ISSN:1345-0433