慢性心不全をもつ高齢者がセルフモニタリングを形成していくプロセス

「要約」本研究の目的は, 慢性心不全をもつ高齢者が在宅で療養する中でセルフモニタリングを形成していくプロセスを明らかにすることであった. 入院経験があり現在は外来通院中の心不全をもつ高齢者対象に半構成的面接を行った. その結果, セルフモニタリングを形成していくプロセスは, 【息が苦しくなったり身体に水が溜まったりする体験】【息が苦しくなったり身体に水が溜まったりする体験が心不全と結びつく】【家族が心不全の増悪のサインを観察する】【医療者に言われたから体重・血圧を測定・記録し始める】【自分で検脈をし始める】【目安を基に臨時受診するかを自分で判断する】【定期受診で医療者に心不全が増悪してないか確...

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Veröffentlicht in:高知女子大学看護学会誌 2018-12, Vol.44 (1), p.156-165
Hauptverfasser: 山中智尋, 杉田綾乃, 溝渕千帆, 山本麻衣, 高樽由美, 内田雅子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要約」本研究の目的は, 慢性心不全をもつ高齢者が在宅で療養する中でセルフモニタリングを形成していくプロセスを明らかにすることであった. 入院経験があり現在は外来通院中の心不全をもつ高齢者対象に半構成的面接を行った. その結果, セルフモニタリングを形成していくプロセスは, 【息が苦しくなったり身体に水が溜まったりする体験】【息が苦しくなったり身体に水が溜まったりする体験が心不全と結びつく】【家族が心不全の増悪のサインを観察する】【医療者に言われたから体重・血圧を測定・記録し始める】【自分で検脈をし始める】【目安を基に臨時受診するかを自分で判断する】【定期受診で医療者に心不全が増悪してないか確認したい】の7つのカテゴリーから構成された. また, プロセスに影響していたのは, 【今までに経験したことのない胸痛や呼吸困難という突然の出来事】【不整脈の体験】【認知機能の低下】【不整脈の発作が起きる】【生きがいを大切にしたい】【救急車を呼びたいと思うほどの不安を感じる】の6つのカテゴリーであった. 高齢者がセルフモニタリングを形成していくうえで, 体験した症状と心不全の概念を結び付けられるような看護援助が重要であることが示唆された.
ISSN:1345-0433