外傷性大量出血に対する人工血液と輸血治療の最前線

「和文抄録」輸血の歴史は新鮮全血輸血から始まり, 血液保存法の開発と血液供給体制の拡充に伴い成分輸血法へと発展してきた. しかしながら海外では外傷による大量出血への緊急輸血に関しては, 救命効果の点からも再び全血輸血へと回帰しつつある. 我々の家兎による検討では, 赤血球や血小板に対する血液代替物の開発により, これらの迅速な投与でプレホスピタルにおいても全血輸血に匹敵する救命効果が得られつつある. 可能な限り全ての血液成分を補うという成分輸血の理想が実現できる日も近いと期待する. 副作用合併症を極力抑えた上で, 補給管理の制約が少なく, universalに使用可能な人工血液は輸血学の到達す...

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Veröffentlicht in:人工血液 2020-11, Vol.28 (1), p.40-48
Hauptverfasser: 萩沢康介, 木下学
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「和文抄録」輸血の歴史は新鮮全血輸血から始まり, 血液保存法の開発と血液供給体制の拡充に伴い成分輸血法へと発展してきた. しかしながら海外では外傷による大量出血への緊急輸血に関しては, 救命効果の点からも再び全血輸血へと回帰しつつある. 我々の家兎による検討では, 赤血球や血小板に対する血液代替物の開発により, これらの迅速な投与でプレホスピタルにおいても全血輸血に匹敵する救命効果が得られつつある. 可能な限り全ての血液成分を補うという成分輸血の理想が実現できる日も近いと期待する. 副作用合併症を極力抑えた上で, 補給管理の制約が少なく, universalに使用可能な人工血液は輸血学の到達すべきゴールとも言えるのではないだろうか.
ISSN:1341-1594