血小板膜タンパク結合アルブミン重合体による血流条件下コラーゲン表面における血小板血栓増強効果

「和文抄録」血小板は, 血管壁の損傷部位に集積し一次止血に関与する. 血流条件下では, 血管壁損傷部位で血流に暴露されたコラーゲンと血小板の相互作用, コラーゲンに結合する血漿蛋白であるvon Willebrand因子 (VWF) と血小板の相互作用が血栓形成に必須の役割を果たす. そこで, 血小板表面上に存在するコラーゲン受容体であるGPIa/IIa (recombinant GPIa/IIa : rGPIa/IIa), VWF受容体であるGPIbα (recombinant GPIbα : rGPIbα) を結合させたアルブミン重合体を作成し止血機能におよぼす効果を検討した. 血管壁の損傷...

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Veröffentlicht in:人工血液 2004-06, Vol.12 (1), p.13-18
Hauptverfasser: 田村典子, 後藤信哉, 石田英之, 半田俊之介, 田邉晃久, 武岡真司, Athar Sadiq, 池田康夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「和文抄録」血小板は, 血管壁の損傷部位に集積し一次止血に関与する. 血流条件下では, 血管壁損傷部位で血流に暴露されたコラーゲンと血小板の相互作用, コラーゲンに結合する血漿蛋白であるvon Willebrand因子 (VWF) と血小板の相互作用が血栓形成に必須の役割を果たす. そこで, 血小板表面上に存在するコラーゲン受容体であるGPIa/IIa (recombinant GPIa/IIa : rGPIa/IIa), VWF受容体であるGPIbα (recombinant GPIbα : rGPIbα) を結合させたアルブミン重合体を作成し止血機能におよぼす効果を検討した. 血管壁の損傷部位で血流に曝露されるマトリックスであるコラーゲンを固相化したガラス表面上に抗凝固処理した全血を灌流するモデルを用いた. あらかじめnative血小板, rGPIa/IIa, rGPIbαと結合したアルブミン重合体を蛍光標識して赤血球の存在下における観察を可能とした. 蛍光顕微鏡により観察される, 1,500 s-1のずり速度における血小板血栓の2次元的成長は, rGPIbα結合アルブミン重合体により促進した. 一方, 100 s-1のずり速度下ではrGPIbα, rGPIa/IIa結合アルブミン重合体はいずれも血小板血栓の形成を促進する効果を呈した. 高速共焦点レーザー顕微鏡による3次元イメージング法により, rGPIbα結合アルブミン重合体は1,500 s-1のずり速度の条件における血栓の3次元的成長を促進することが確認された. コラーゲン, VWFの受容体機能を有する血小板膜糖タンパクを結合させたアルブミン重合体は, 血流条件下におけるマトリックス表面の血小板血栓の形成を増強させる人工血小板としての効果を有することが確認された.
ISSN:1341-1594