リポソーム内包型ヘモグロビンによる全血由来炎症性サイトカイン産生の修飾

「はじめに」赤血球代替物の開発に関する研究が広く行われている. ヒト赤血球と違い人工的な赤血球の代替物は輸血時の血液型検査, 交差適合検査を必要とせず, 従来の血液製剤より長期の保存を可能とするなど, 臨床的に利用するに当たり多くの利点を有している. またその開発は同種血輸血の問題として指摘されている同種抗原感作, 非溶血性発熱反応, ウイルス感染症の伝播, 等を回避することをも可能とする. 赤血球代替物開発のターゲットとして大きく2つの方向がある. 1つはヘモグロビン分子を種々修飾し, 酸素解離機能を修飾し, 有効な酸素運搬能を保持させるものである. 他方, ヘモグロビンを脂質二重膜内に濃縮...

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Veröffentlicht in:人工血液 1998-03, Vol.6 (1), p.13-16
Hauptverfasser: 池淵研二, 丹羽光一, 藤原満博, 阿部英樹, 若本志乃舞, 伊藤貴俊, 山口美樹, 関口定美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」赤血球代替物の開発に関する研究が広く行われている. ヒト赤血球と違い人工的な赤血球の代替物は輸血時の血液型検査, 交差適合検査を必要とせず, 従来の血液製剤より長期の保存を可能とするなど, 臨床的に利用するに当たり多くの利点を有している. またその開発は同種血輸血の問題として指摘されている同種抗原感作, 非溶血性発熱反応, ウイルス感染症の伝播, 等を回避することをも可能とする. 赤血球代替物開発のターゲットとして大きく2つの方向がある. 1つはヘモグロビン分子を種々修飾し, 酸素解離機能を修飾し, 有効な酸素運搬能を保持させるものである. 他方, ヘモグロビンを脂質二重膜内に濃縮して保持し, ヘモグロビン分子が直接血流に暴露しないような形にするタイプである. このタイプではヘモグロビンの自己酸化を抑えるよう各種の抗酸化剤を同時に内包させることも可能である.
ISSN:1341-1594