Neo Red Cell (NRC) によるラット高度血液交換モデルの確立
ストローマフリーヘモグロビンをリポソームにカプセル化したNeo Red Cell(NRC : TERUMO)は他の血液代替物に比較して酸素親和性が低く, 解離曲線がヒト赤血球に近似しており, 出血性ショックモデルに対して安全に投与されうることがイヌ, ラビットなど中動物を用いた実験系で確認されている. 今回, NRCを用いて, 自己赤血球のみでは生存不可能なほど高度なラット血液交換モデルを作成した. Brown Norway(BN)雄性ラットを用いてNRCで80%以上の高度血液交換を行い, 交換後はNRCを1mL/hrの速度で8時間持続静注した. 経時的に採血して, 一般末梢血, 血液ガス分析...
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Veröffentlicht in: | 人工血液 1997-03, Vol.5 (1), p.14-17 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ストローマフリーヘモグロビンをリポソームにカプセル化したNeo Red Cell(NRC : TERUMO)は他の血液代替物に比較して酸素親和性が低く, 解離曲線がヒト赤血球に近似しており, 出血性ショックモデルに対して安全に投与されうることがイヌ, ラビットなど中動物を用いた実験系で確認されている. 今回, NRCを用いて, 自己赤血球のみでは生存不可能なほど高度なラット血液交換モデルを作成した. Brown Norway(BN)雄性ラットを用いてNRCで80%以上の高度血液交換を行い, 交換後はNRCを1mL/hrの速度で8時間持続静注した. 経時的に採血して, 一般末梢血, 血液ガス分析を行った. 血液交換前後で, ヘマトクリット(Ht)43.5±1.9%は7.1±1.5%へと低下し, 血液交換率は83.5±3.8%と計算された. 動脈血ガス分析ではbase excess(B.E.)は-1.37±1.10mMから-7.77±0.35mMへと変化し, 代謝性アシドーシスに傾いたが, 24時間後には1.23±0.98mMと回復を示した. 交換後のHtの経時的変化は直後, 24時間後, 48時間後, 72時間後, 1週間後においてそれぞれ, 7.1±1.5, 8.5±1.9, 12.7±2.2, 15.5±5.4, 44.1±3.3%であり, 24-48時間以降, 自己の造血機能が回復し始め, 1週間ではほぼ前値に復した. 血液交換後, さらにNRC持続静注を加えることにより, ラットでNRCによる約85%の高度血液交換が可能であった. Htが前値の50%に回復するまで72時間を要するが, その間, NRCは有効な酸素運搬体として機能していると思われた. 血液交換後, 1週間でHt値はほぼ前値に回復し, 1ヶ月以上の長期生存も得られた. |
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ISSN: | 1341-1594 |