脳性麻痺に対する手関節部分固定術

「要旨」【はじめに】脳性麻痺の痙縮による手関節変形に対しては, 機能と外観の改善を目的に筋解離術, 腱移行術や手関節固定術が行われる. しかし, これらの手術には再発・逆変形や可動域が消失するなどの問題がある. 我々はそれらを解決すべく手関節部分固定術を行っている. 本研究の目的はその術後成績を検討することである. 【対象と方法】2018年以降に当院で手術した痙直型脳性麻痺児6人, 8肢を対象とした. 手関節は1肢は背屈, 7肢が掌屈変形を呈していた. 橈骨手根間関節での手関節部分固定術を行い, 必要に応じて腱延長や腱移行などの軟部組織の術式を加えた. 手術時年齢は平均13.6歳, 追跡期間は...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2023-06, Vol.32 (1), p.61-65
Hauptverfasser: 奥野杏子, 川端秀彦, 御勢真一, 美延幸保, 鈴木恒彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:「要旨」【はじめに】脳性麻痺の痙縮による手関節変形に対しては, 機能と外観の改善を目的に筋解離術, 腱移行術や手関節固定術が行われる. しかし, これらの手術には再発・逆変形や可動域が消失するなどの問題がある. 我々はそれらを解決すべく手関節部分固定術を行っている. 本研究の目的はその術後成績を検討することである. 【対象と方法】2018年以降に当院で手術した痙直型脳性麻痺児6人, 8肢を対象とした. 手関節は1肢は背屈, 7肢が掌屈変形を呈していた. 橈骨手根間関節での手関節部分固定術を行い, 必要に応じて腱延長や腱移行などの軟部組織の術式を加えた. 手術時年齢は平均13.6歳, 追跡期間は平均18.3か月であった. 術前後のROM, ADLと手術に対する満足度を調査した. 【結果】全例で再発なく, 背屈可動域とADLは改善し, 患者満足度は高かった. MACS IIの症例では機能向上も認めた. 【結論】脳性麻痺に対する手関節部分固定術の術後成績は良好であった.
ISSN:0917-6950