牽引治療で整復が得られたDDH (脱臼例) のAVN発生について

「要旨」【目的】発育性股関節形成不全の脱臼例(以下, 脱臼例)に対する牽引治療の骨頭壊死avascular necrosis(以下, AVN)の危険性はリーメンビューゲル(以下, Rb)法より低いとされるが, 経過中にAVNが疑われることがある. 本研究の目的は, 牽引治療で整復された脱臼例のAVN発生について調査することである. 【方法】牽引治療で整復後, 2年以上観察した123股を対象とし, Rb治療の有無, 整復後1年でのAVNの有無を調査した. Rb法後に牽引で整復された症例をR群, 初期治療として牽引治療を行い整復された症例をT群とした. 13歳以降まで観察できた60股の最終観察時の...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2023-06, Vol.32 (1), p.57-60
Hauptverfasser: 米田梓, 衣笠真紀, 薩摩眞一, 小林大介, 坂田亮介, 森下雅之, 河本和泉, 北村仁美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」【目的】発育性股関節形成不全の脱臼例(以下, 脱臼例)に対する牽引治療の骨頭壊死avascular necrosis(以下, AVN)の危険性はリーメンビューゲル(以下, Rb)法より低いとされるが, 経過中にAVNが疑われることがある. 本研究の目的は, 牽引治療で整復された脱臼例のAVN発生について調査することである. 【方法】牽引治療で整復後, 2年以上観察した123股を対象とし, Rb治療の有無, 整復後1年でのAVNの有無を調査した. Rb法後に牽引で整復された症例をR群, 初期治療として牽引治療を行い整復された症例をT群とした. 13歳以降まで観察できた60股の最終観察時の骨頭変形の有無も調査した. 【結果】AVN発生率はR群6.6%, T群4.3%で有意差はなかった. 13歳以降まで観察した症例の最終観察時の骨頭変形は, R群で6.1%に認めたが, T群ではゼロだった. 【考察】牽引治療は脱臼例に対する安全な治療法である. Rb治療歴がAVN変形の遺残に影響する可能性があり, Rb法の適応や継続期間は慎重に検討するべきである.
ISSN:0917-6950