18q-症候群の陳旧性肘関節脱臼に対する治療経験

「要旨」18q-症候群は4万人出生に1人といわれる稀な疾患である. 出生時より重度の筋緊張低下を認めるが, 生命予後は良好である. 症例は19歳女性. 2歳時に18q-症候群と診断され, 生来両肘関節の不安定性を認めていた. 転倒を契機に右肘関節後方脱臼を生じ, 以後整復位を保持できず脱臼したままとなり当院へ紹介受診した. 右肘関節単純X線および単純CTでは肘関節後方脱臼, 上腕骨滑車および尺骨滑車切痕の低形成を認めた. 18q-症候群に伴う筋緊張低下, 靱帯帯弛緩性, 上腕骨・尺骨の骨低形成による陳旧性肘関節脱臼と診断し受傷後4か月に手術を行った. 手術は腸骨による鉤状突起再建とヒンジ付き創...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2022-12, Vol.31 (2), p.175-178
Hauptverfasser: 吉澤秀, 池上博泰, 眞宅崇徳, 石井秀明, 阪元美里, 前田隆浩, 武者芳朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」18q-症候群は4万人出生に1人といわれる稀な疾患である. 出生時より重度の筋緊張低下を認めるが, 生命予後は良好である. 症例は19歳女性. 2歳時に18q-症候群と診断され, 生来両肘関節の不安定性を認めていた. 転倒を契機に右肘関節後方脱臼を生じ, 以後整復位を保持できず脱臼したままとなり当院へ紹介受診した. 右肘関節単純X線および単純CTでは肘関節後方脱臼, 上腕骨滑車および尺骨滑車切痕の低形成を認めた. 18q-症候群に伴う筋緊張低下, 靱帯帯弛緩性, 上腕骨・尺骨の骨低形成による陳旧性肘関節脱臼と診断し受傷後4か月に手術を行った. 手術は腸骨による鉤状突起再建とヒンジ付き創外固定器を施行した. 創外固定器は術後約4か月で抜去した. 術後3年6か月時, 再脱臼を認めず経過良好である.
ISSN:0917-6950