股関節痛を契機に診断された強直性脊椎炎の1例

「要旨」股関節痛を契機に診断に至った, 強直性脊椎炎:ankylosing spondylitis(以下, AS)の1例を経験したので報告する. 症例は16歳男子で, 右股関節痛のため近医を受診した. 大腿骨寛骨臼インピンジメントの診断で当科に紹介された. 当科初診時, 右股関節痛は安静時と夜間に強く, 運動時には感じなかった. 右股関節の可動域制限を認め疼痛誘発テストは陽性であった. 詳細に問診したところ, 過去に腰殿部痛と両股関節痛を繰り返していた. 単純X線では左仙腸関節に硬化像を認め, MRIでは右股関節水腫と両仙腸関節周囲の骨髄浮腫像を認めた. 血液検査では炎症反応が上昇し, HLA...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2021-12, Vol.30 (2), p.166-170
Hauptverfasser: 山田和希, 那須義久, 鉄永智紀, 佐藤嘉洋, 廣瀬一樹, 中原龍一, 西田圭一郎, 尾崎敏文
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」股関節痛を契機に診断に至った, 強直性脊椎炎:ankylosing spondylitis(以下, AS)の1例を経験したので報告する. 症例は16歳男子で, 右股関節痛のため近医を受診した. 大腿骨寛骨臼インピンジメントの診断で当科に紹介された. 当科初診時, 右股関節痛は安静時と夜間に強く, 運動時には感じなかった. 右股関節の可動域制限を認め疼痛誘発テストは陽性であった. 詳細に問診したところ, 過去に腰殿部痛と両股関節痛を繰り返していた. 単純X線では左仙腸関節に硬化像を認め, MRIでは右股関節水腫と両仙腸関節周囲の骨髄浮腫像を認めた. 血液検査では炎症反応が上昇し, HLA-B27は陽性であった. ASと診断し, 疾患活動性が高かったため, Infliximabの適応とした. 治療は奏効し, 現在も継続している. 詳細な病歴聴取により早期の診断と治療が行えたため, 短期の成績ではあるが経過良好であった.
ISSN:0917-6950