先天性脛骨列欠損症 (Jones分類1b型, 両側例) に対し再建手術を行い, 歩行能力を獲得した1例

「要旨」〈目的〉先天性脛骨列欠損症の脛骨完全欠損例は, 膝関節の可動域や安定性の点から切断と義肢治療が推奨されることが多い. 特に両側例においては, 機能的な膝関節を再建することは困難とされている. 今回我々は両脛骨列完全欠損例に対して再建手術を行い, 良好な膝関節可動域を得, 歩行も可能となった症例を経験したので報告する. 〈症例〉現在3歳の男児. 出生時から両脛骨が完全に欠損しており, 先天性脛骨列欠損症Jones分類1b型であった. 両下肢の温存を希望され, 1歳6か月時に両足部中央化手術を行い, 2歳1か月時に両腓骨中央化手術 (Brown手術) を行った. 術後1年の現在, 膝関節可...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2021-06, Vol.30 (1), p.12-16
Hauptverfasser: 衣笠真紀, 薩摩眞一, 小林大介, 坂田亮介, 河本和泉, 山本哲也, 尾ノ井勇磨
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」〈目的〉先天性脛骨列欠損症の脛骨完全欠損例は, 膝関節の可動域や安定性の点から切断と義肢治療が推奨されることが多い. 特に両側例においては, 機能的な膝関節を再建することは困難とされている. 今回我々は両脛骨列完全欠損例に対して再建手術を行い, 良好な膝関節可動域を得, 歩行も可能となった症例を経験したので報告する. 〈症例〉現在3歳の男児. 出生時から両脛骨が完全に欠損しており, 先天性脛骨列欠損症Jones分類1b型であった. 両下肢の温存を希望され, 1歳6か月時に両足部中央化手術を行い, 2歳1か月時に両腓骨中央化手術 (Brown手術) を行った. 術後1年の現在, 膝関節可動域は右が0~100°, 左が0~80°となり, 手引き歩行が可能となっている. 〈結語〉両脛骨列完全欠損例でも再建術により歩行可能となった. しかし長期的な機能評価は今後も必要である.
ISSN:0917-6950