肩鎖関節脱臼を伴わない烏口突起骨端離開の1例

「要旨」【背景】肩鎖関節脱臼を伴わない烏口突起骨端離開はまれである. レスリング中に受傷した1例を経験したので報告する. 【症例】13歳, 男児. レスリングの際に右肩関節を伸展外転位, 肘関節屈曲位で肘から転倒し, 右肩関節前方の疼痛を自覚した. 初診時, 烏口突起と前方関節包の圧痛以外に異常は認めなかった. 単純X 線像 (Stryker撮影法) と単純CT像で烏口突起骨端離開を認め, 肩鎖関節脱臼を伴わない烏口突起骨端離開と診断した. 治療は三角巾とバストバンド固定による保存療法を行い, 受傷後3か月でスポーツ復帰した. 【考察】烏口突起骨端離開の報告は比較的少なく, 発症機序は直達外力...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2020-12, Vol.29 (2), p.277-280
Hauptverfasser: 大友彩加, 金郁哲, 岡佳伸, 西田敦士
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」【背景】肩鎖関節脱臼を伴わない烏口突起骨端離開はまれである. レスリング中に受傷した1例を経験したので報告する. 【症例】13歳, 男児. レスリングの際に右肩関節を伸展外転位, 肘関節屈曲位で肘から転倒し, 右肩関節前方の疼痛を自覚した. 初診時, 烏口突起と前方関節包の圧痛以外に異常は認めなかった. 単純X 線像 (Stryker撮影法) と単純CT像で烏口突起骨端離開を認め, 肩鎖関節脱臼を伴わない烏口突起骨端離開と診断した. 治療は三角巾とバストバンド固定による保存療法を行い, 受傷後3か月でスポーツ復帰した. 【考察】烏口突起骨端離開の報告は比較的少なく, 発症機序は直達外力または介達外力によるものが報告されている. 本症例は, 肩関節伸展外転位, 肘関節屈曲位で, 肘から転倒して受傷し肩関節前方脱臼を生じ, 上腕骨頭から烏口突起に介達外力が働き骨端離開を生じたと考えた. 烏口突起の損傷を疑う場合に単純X 線像 (Stryker撮影法) やCT像は有用である.
ISSN:0917-6950