先天性内反足再発例における末梢神経障害の可能性

「要旨」Ponseti法は先天性内反足の優れた治療法であるが, 再発例の中には特発性とは言い切れない内反足も含まれる可能性は否定できない. 今回, 神経障害による筋力不均衡が再発の原因になっている可能性について検討した. 2008年から2018年に学童期前に再発した先天性内反足9例12足を対象とした. 女児2例, 男児7例, 両側例3例, 片側例6例であった. 再発年齢は平均3.5歳であった. 神経伝導検査で, 腓骨神経の運動神経伝導速度は1例が患側で導出不可であったが, その他は正常であった. 9例の全例で患側の腓骨神経の複合筋活動電位 (Compound Muscle Action Pot...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2019-12, Vol.28 (2), p.213-217
Hauptverfasser: 水野稚香, 落合達宏, 高橋祐子, 小松繁允
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」Ponseti法は先天性内反足の優れた治療法であるが, 再発例の中には特発性とは言い切れない内反足も含まれる可能性は否定できない. 今回, 神経障害による筋力不均衡が再発の原因になっている可能性について検討した. 2008年から2018年に学童期前に再発した先天性内反足9例12足を対象とした. 女児2例, 男児7例, 両側例3例, 片側例6例であった. 再発年齢は平均3.5歳であった. 神経伝導検査で, 腓骨神経の運動神経伝導速度は1例が患側で導出不可であったが, その他は正常であった. 9例の全例で患側の腓骨神経の複合筋活動電位 (Compound Muscle Action Potential : 以下, CMAP) の低下を認め, うち片側例の6例中5例は健側の腓骨神経のCMAPの低下が認められた. 筋電図は7例に実施され, 3例で神経原性変化を認めた. 全患側では腓骨神経の軸索障害と考えられた. 筋電図で神経原性変化がある症例, または健側もCMAPの低下のある症例, 腓骨神経と脛骨神経のCMAPの低下がある症例は, 末梢神経障害あるいはCharcot-Marie-Tooth病が疑われた. したがって, 内反足の再発例の診断には神経学的検査も必要といえる.
ISSN:0917-6950