過去60年間における筋性斜頸手術件数の推移

「要旨」【目的】近年, 筋性斜頸の手術件数は, 少子化だけでは説明がつかないほどに激減している. 当院における筋性斜頸の手術例の推移と産科学的データの推移との関連を調査した. 【対象・方法】1953年以降に岡山県で出生し, 当院で手術を施行した筋性斜頸328例を対象とした. 年間出生数に対する筋性斜頸の割合の推移と, 帝王切開率・早産率・過期産率・出生体重の推移との関連を調査した. 【結果】年間出生数に対する手術数の割合は1970年前後に多く, 最大で0.08%であった. 1980年代後半以降は減少し, 最小で0.005%であった. 一方, 出産時の帝王切開率は1970年ごろには10%であった...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2019-09, Vol.28 (1), p.44-47
Hauptverfasser: 山田和希, 遠藤裕介, 鉄永智紀, 赤澤啓史, 三喜知明, 河村涌志, 尾崎敏文
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」【目的】近年, 筋性斜頸の手術件数は, 少子化だけでは説明がつかないほどに激減している. 当院における筋性斜頸の手術例の推移と産科学的データの推移との関連を調査した. 【対象・方法】1953年以降に岡山県で出生し, 当院で手術を施行した筋性斜頸328例を対象とした. 年間出生数に対する筋性斜頸の割合の推移と, 帝王切開率・早産率・過期産率・出生体重の推移との関連を調査した. 【結果】年間出生数に対する手術数の割合は1970年前後に多く, 最大で0.08%であった. 1980年代後半以降は減少し, 最小で0.005%であった. 一方, 出産時の帝王切開率は1970年ごろには10%であったが, 1980年代から急増し2000年代以降は19%に増加していた. 早産率も1970年代は3.5%であったが, 2000年以降は6%に増加していた. その半面で, 過期産率は1970年代には5%であったが, 2000年以降は1%未満に減少していた. また, 出生時平均体重は1970年代には3.5kgであったが, 2000年代は3.0kgに減少していた. 【結論】帝王切開率の増加や過期産の減少なども, 筋性斜頸の減少に寄与している可能性があった.
ISSN:0917-6950