障害児と熊本地震

「要旨」【目的】2016年の熊本地震後に障害児にみられた変化や車中泊の影響について調査を行った. 【対象・方法】平成28年7月~10月に当センター整形外科外来を受診した児, 611名に対して子どもに生じた変化やその関連因子として年齢区分, 被災地域, 建物被災, 車いすの使用, 避難状況(車中泊, 避難所), 避難期間について調査を行った.【結果】障害児を持つ家族は避難所より車中泊を選択する傾向にあった. 被災した児の約60%に恐怖感や不眠等の心身の変化がみられ, 震源の近くで被災し, 車中泊期間が長いほど変化が生じやすかった. また, 震源に近く, 建物被災が大きく, 年少で, 車いすが必要...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2019-09, Vol.28 (1), p.17-21
Hauptverfasser: 永田武大, 久嶋史枝, 池邉顕嗣朗, 坂本公宣
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」【目的】2016年の熊本地震後に障害児にみられた変化や車中泊の影響について調査を行った. 【対象・方法】平成28年7月~10月に当センター整形外科外来を受診した児, 611名に対して子どもに生じた変化やその関連因子として年齢区分, 被災地域, 建物被災, 車いすの使用, 避難状況(車中泊, 避難所), 避難期間について調査を行った.【結果】障害児を持つ家族は避難所より車中泊を選択する傾向にあった. 被災した児の約60%に恐怖感や不眠等の心身の変化がみられ, 震源の近くで被災し, 車中泊期間が長いほど変化が生じやすかった. また, 震源に近く, 建物被災が大きく, 年少で, 車いすが必要な児の家族ほど避難に車中泊を選択する傾向にあった. 【結論】障害児を持つ家族の多くが, 限られたスペースでのトラブルを恐れ, 避難所ではなく不便な車中泊を選択した. 安心して避難できる場所の確保として, 福祉避難所の準備や周知が重要である.
ISSN:0917-6950