麻痺性の股関節・膝関節屈曲拘縮に対する広範囲観血的拘縮解離手術

「要旨」 【目的】股・膝関節の重度屈曲拘縮に対する広範囲観血的拘縮解離手術を報告する. 【対象・方法】対象は, 麻痺性疾患により股・膝関節屈曲拘縮を呈する4例6肢であった. 手術方法は, 股関節内側の皮切から長内転筋腱・薄筋を切離後, 股関節外側から大腿外側を通り膝関節遠位脛骨粗面に至る一皮切で股・膝関節の広範囲屈曲拘縮解離(大腿筋膜・腸脛靱帯切除, 縫工筋・大腿直筋下方移行, 腸腰筋腱切離, 大腿二頭筋腱Z延長, 腓腹筋外・内側頭切離, 半腱様筋・半膜様筋腱切離, 膝関節後方関節包解離)を行った. 大腿骨近位部で伸展短縮骨切りも行った. 【結果】手術時平均年齢27.0歳(17.3~37.6歳...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2018-12, Vol.27 (2), p.267-272
Hauptverfasser: 名倉温雄, 和田晃房, 武田真幸, 杉田健, 窪田秀明, 中村幸之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 【目的】股・膝関節の重度屈曲拘縮に対する広範囲観血的拘縮解離手術を報告する. 【対象・方法】対象は, 麻痺性疾患により股・膝関節屈曲拘縮を呈する4例6肢であった. 手術方法は, 股関節内側の皮切から長内転筋腱・薄筋を切離後, 股関節外側から大腿外側を通り膝関節遠位脛骨粗面に至る一皮切で股・膝関節の広範囲屈曲拘縮解離(大腿筋膜・腸脛靱帯切除, 縫工筋・大腿直筋下方移行, 腸腰筋腱切離, 大腿二頭筋腱Z延長, 腓腹筋外・内側頭切離, 半腱様筋・半膜様筋腱切離, 膝関節後方関節包解離)を行った. 大腿骨近位部で伸展短縮骨切りも行った. 【結果】手術時平均年齢27.0歳(17.3~37.6歳), 術後平均観察期間1年2か月(5か月~1年10か月)であった. 屈曲拘縮の軽減・軽快により2例で腹臥位・仰臥位などの姿勢が安定し2例で歩行訓練も可能となった. 【結論】広範囲観血的拘縮解離手術の侵襲は大きいが, 姿勢の改善や起立歩行能力の改善が期待できる.
ISSN:0917-6950