発育性股関節形成不全 (脱臼) の全国多施設調査の結果報告
「要旨」 マルチセンタースタディ委員会で行った発育性股関節形成不全(以下, DDH)全国多施設調査結果を報告する. 対象施設は大学病院, 小児病院, 肢体不自由児療育施設とその他日本整形外科学会認定研修施設などの1987施設であり, 2013年7月に各施設に郵送で調査した. 対象症例は2011年4月から2年間に初診した未整復DDH(脱臼)例とし, 亜脱臼, 臼蓋形成不全, 奇形性・麻痺性脱臼は対象外とした. 783施設(39%)から回答が得られ, 1295例の脱臼症例を得た. そのうち199例(15%)が1歳以上の診断遅延例で, 3歳以上が36例あり予想以上に診断遅延例が多かった. 診断遅延例...
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Veröffentlicht in: | 日本小児整形外科学会雑誌 2017-12, Vol.26 (2), p.343-351 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」 マルチセンタースタディ委員会で行った発育性股関節形成不全(以下, DDH)全国多施設調査結果を報告する. 対象施設は大学病院, 小児病院, 肢体不自由児療育施設とその他日本整形外科学会認定研修施設などの1987施設であり, 2013年7月に各施設に郵送で調査した. 対象症例は2011年4月から2年間に初診した未整復DDH(脱臼)例とし, 亜脱臼, 臼蓋形成不全, 奇形性・麻痺性脱臼は対象外とした. 783施設(39%)から回答が得られ, 1295例の脱臼症例を得た. そのうち199例(15%)が1歳以上の診断遅延例で, 3歳以上が36例あり予想以上に診断遅延例が多かった. 診断遅延例はほとんど乳児健診を受けており, さらに37例(19%)は医療機関を受診していたが診断されていなかった. 脱臼例の調査では, 女児89%, 左69%, 両側4%, 家族歴を27%に認め, 第1子, 骨盤位, 出生体重2500g以下, 秋冬生まれに多く, 3歳までの診断例は保存的に整復されている例が多かった. 骨頭壊死は12%あり, 診断遅延例に多かった. 今後診断遅延例を減少させるため, 健診システムなどの再構築が必要と思われた. (本論文は, The epidemiology of developmental dysplasia of the hip in Japan : Findings from a nationwide multi-center survey, Journal of Orthopaedic Science 22(1) : 121-126, 2017の日本語訳論文で, 許可を得て転載しており, 著作権はJournal of Orthopaedic Scienceにあります) |
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ISSN: | 0917-6950 |