上腕骨外顆骨折を繰り返した顆上骨折後内反肘の1例

「要旨」 小児の上腕骨顆上骨折後に生じた内反肘変形に外顆骨折を繰り返し, 外顆の骨接合術と矯正骨切り術を一期的に行った症例を報告する. 症例は生来健康な3歳3か月男児. 左上腕骨顆上骨折に対してギプス固定を行い, 軽度の内反肘変形が残った. 4歳9か月時に同側の上腕骨外顆骨折を来し, 経皮的鋼線固定術で骨癒合を得た. その後, 内反肘が進行し矯正骨切りを予定していたが, 5歳1か月時, 再び同側の外顆骨折を来し, 外顆の骨接合術と内反肘の矯正骨切り術を一期的に行った. 術後X線像でBaumann's angleは2°から20°, tilting angleは15°から35°に改善し,...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2017-12, Vol.26 (2), p.209-212
Hauptverfasser: 甘利留衣, 川崎賀照, 西良浩一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 小児の上腕骨顆上骨折後に生じた内反肘変形に外顆骨折を繰り返し, 外顆の骨接合術と矯正骨切り術を一期的に行った症例を報告する. 症例は生来健康な3歳3か月男児. 左上腕骨顆上骨折に対してギプス固定を行い, 軽度の内反肘変形が残った. 4歳9か月時に同側の上腕骨外顆骨折を来し, 経皮的鋼線固定術で骨癒合を得た. その後, 内反肘が進行し矯正骨切りを予定していたが, 5歳1か月時, 再び同側の外顆骨折を来し, 外顆の骨接合術と内反肘の矯正骨切り術を一期的に行った. 術後X線像でBaumann's angleは2°から20°, tilting angleは15°から35°に改善し, 8歳3か月時, 肘関節可動域は左右差なくBaumann's angle 20°, tilting angle 33°, 矯正損失はなく経過は良好であった. 小児の上腕骨顆上骨折後の内反肘変形は, 外顆に加わるねじれやせん断力が大きくなるとされ, 外顆骨折を来す場合, 一期的に骨接合術と矯正骨切り術を行うことも有効と考える.
ISSN:0917-6950