先天性魚鱗癬および魚鱗癬症候群に合併した手指の変形とその治療
「要旨」先天性魚鱗癬は, 全身の皮膚が乾燥・粗造化して落屑を生じる遺伝性角化症である. 本患者の手指の変形と治療法について検討した. 対象は2010~2015年に治療した水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症1例2手, 道化師様魚鱗癬1例2手, CHILD症候群 (Congenital Hemidysplasia with Ichthyosiform erythroderma and Limb Defects Syndrome) 1例1手である. 3例の初診時年齢は平均11か月, 経過観察期間は平均3年8か月で, 手術は初診から約2年以降で施行した. 水疱型先天性魚鱗癬では, 両母指が内転拘縮し母指対立困...
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Veröffentlicht in: | 日本小児整形外科学会雑誌 2016-12, Vol.25 (2), p.217-221 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」先天性魚鱗癬は, 全身の皮膚が乾燥・粗造化して落屑を生じる遺伝性角化症である. 本患者の手指の変形と治療法について検討した. 対象は2010~2015年に治療した水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症1例2手, 道化師様魚鱗癬1例2手, CHILD症候群 (Congenital Hemidysplasia with Ichthyosiform erythroderma and Limb Defects Syndrome) 1例1手である. 3例の初診時年齢は平均11か月, 経過観察期間は平均3年8か月で, 手術は初診から約2年以降で施行した. 水疱型先天性魚鱗癬では, 両母指が内転拘縮し母指対立困難で, 母指対立再建術を施行した. 道化師様魚鱗癬は, 両母指内転拘縮と両手指全体の合指を認め, 母指対立再建術と指間の分離・植皮術を施行した. CHILD症候群は, 左環指・小指に魚鱗癬と指変形を認め, 皮弁形成と腱切離を施行したが変形が再発した. 魚鱗癬では, 分化障害ではなく皮膚角化異常による癒着が手指変形の原因であるが, CHILD症候群では手指の形成不全が優位の障害と考えられた. 手術は皮膚症状の改善をみて行うことが重要である. |
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ISSN: | 0917-6950 |