脳性麻痺患者に対する内転筋皮下切腱と閉鎖神経フェノールブロックによる股関節脱臼予防の有効性
「要旨」股関節亜脱臼・脱臼のある脳性麻痺患者で低年齢や呼吸状態などにより侵襲的な治療が難しい場合, 内転筋皮下切腱と閉鎖神経フェノールブロックを行うことで, 脱臼の治療や亜脱臼の進行予防となるかについて検討した. 当院で治療を行い, 2年以上経過観察可能であった11例12股を対象とし, 脱臼・亜脱臼群に分け比較検討を行った. 粗大運動能力分類システムはIV 4例, V 7例であった. 術前脱臼群は6例7股で, 本治療により整復可能であったものは2例2股のみであり, その中で1例は整復後の不安定性が残った. 術前亜脱臼群の5例5股では全例でその後のMigration Percentageの増悪が...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本小児整形外科学会雑誌 2015-12, Vol.24 (2), p.265-269 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「要旨」股関節亜脱臼・脱臼のある脳性麻痺患者で低年齢や呼吸状態などにより侵襲的な治療が難しい場合, 内転筋皮下切腱と閉鎖神経フェノールブロックを行うことで, 脱臼の治療や亜脱臼の進行予防となるかについて検討した. 当院で治療を行い, 2年以上経過観察可能であった11例12股を対象とし, 脱臼・亜脱臼群に分け比較検討を行った. 粗大運動能力分類システムはIV 4例, V 7例であった. 術前脱臼群は6例7股で, 本治療により整復可能であったものは2例2股のみであり, その中で1例は整復後の不安定性が残った. 術前亜脱臼群の5例5股では全例でその後のMigration Percentageの増悪がなく, 3例は追加治療の必要なく5年以上経過している. 本治療は既に脱臼している症例に対して整復を目指す治療効果は乏しいが, 亜脱臼例に対しては脱臼予防となり追加手術までの期間を延長または不要となる可能性がある. |
---|---|
ISSN: | 0917-6950 |