重度脳性麻痺児の股関節脱臼に対する大腰筋腱移行術を併用した両股関節周囲筋解離術の脱臼整復効果と限界

「要旨」 5歳以下の重度脳性麻痺児の股関節脱臼に対し, 股関節周囲筋解離術に加えて大腰筋腱の外側移行術を行った12例14股の平均6年6か月の術後成績の評価を行った. 影響因子として, 年齢, 体重, 合併症(てんかん, 摂食障害)を検討した. 術前Migration Percentageは, 平均94.3%が最終観察時では平均60.9%と脱臼位の改善を認めた. 14股中9股(65%)が最終観察時に整復位を維持していた. 脱臼位となった5股中2股では, てんかんコントロールが不良であった. 重度脳性麻痺児で, 全身状態が不良なために, 観血的整復や骨切り術等が行い得ない場合, 本術式は, 脱臼整...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2014-12, Vol.23 (2), p.281-284
Hauptverfasser: 松村崇史, 藤田裕樹, 松山敏勝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 5歳以下の重度脳性麻痺児の股関節脱臼に対し, 股関節周囲筋解離術に加えて大腰筋腱の外側移行術を行った12例14股の平均6年6か月の術後成績の評価を行った. 影響因子として, 年齢, 体重, 合併症(てんかん, 摂食障害)を検討した. 術前Migration Percentageは, 平均94.3%が最終観察時では平均60.9%と脱臼位の改善を認めた. 14股中9股(65%)が最終観察時に整復位を維持していた. 脱臼位となった5股中2股では, てんかんコントロールが不良であった. 重度脳性麻痺児で, 全身状態が不良なために, 観血的整復や骨切り術等が行い得ない場合, 本術式は, 脱臼整復・維持の一つの選択肢となる.
ISSN:0917-6950