脳性麻痺における股関節軟部解離術の長期成績 - migration percentageによる検討

「要旨」脳性麻痺児の股関節脱臼(亜脱臼)の改善を目的に, 股関節筋群の軟部解離術を行った症例の長期成績を調査した. 1996年より2000年までの5年間に股関節周囲筋の解離術(初回)を行い, 8年以上の経過観察と単純X線像での評価が可能であった20例30股が調査対象である. 単純X線像より術前と術後のmigration percentage(以下, MP)を計測した. 手術時年齢は平均7.3歳(2.6~13.8), 最終観察時の平均年齢17.4歳(11.0~22.3)で, 経過観察期間は平均10.1年(8.0~13.2)であった. 術前のMP値は平均55%(20~100), 最終観察時のMP値...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2013-06, Vol.22 (1), p.142-146
Hauptverfasser: 伊藤弘紀, 古橋範雄, 門野泉, 沖高司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」脳性麻痺児の股関節脱臼(亜脱臼)の改善を目的に, 股関節筋群の軟部解離術を行った症例の長期成績を調査した. 1996年より2000年までの5年間に股関節周囲筋の解離術(初回)を行い, 8年以上の経過観察と単純X線像での評価が可能であった20例30股が調査対象である. 単純X線像より術前と術後のmigration percentage(以下, MP)を計測した. 手術時年齢は平均7.3歳(2.6~13.8), 最終観察時の平均年齢17.4歳(11.0~22.3)で, 経過観察期間は平均10.1年(8.0~13.2)であった. 術前のMP値は平均55%(20~100), 最終観察時のMP値は平均49%(12~100)であった. 術前MPが50%未満であった症例は, 全例が最終観察時も50%未満に保たれていた. 脳性麻痺の股関節脱臼予防に軟部解離術は有効な治療法である.
ISSN:0917-6950