発育性股関節脱臼に関するアンケート結果と取り組みについて

「要旨」発育性股関節脱臼(DDH)は, オムツや抱き方の指導が普及したことによりその頻度は減少している. しかし, 抱っこひもで児の両下肢を伸展した状態で横抱きする方法が流行っており, DDHの頻度が増加する恐れがある. 本当にDDHの予防に関する知識が広まっているかどうか出産後の母親150人にアンケート調査を行ったので報告する. 結果は, 19%の母親が出産時に脱臼がなければその後に股関節脱臼は生じないと回答し, 28%がオムツや抱き方が股関節形成に影響しないと誤った認識を持っていた. また股関節の動きを制限する抱き方を選択する母親も多く, 向き癖とDDHとの関係や抱っこひもの間違った使用に...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2013-06, Vol.22 (1), p.1-5
1. Verfasser: 川崎賀照
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」発育性股関節脱臼(DDH)は, オムツや抱き方の指導が普及したことによりその頻度は減少している. しかし, 抱っこひもで児の両下肢を伸展した状態で横抱きする方法が流行っており, DDHの頻度が増加する恐れがある. 本当にDDHの予防に関する知識が広まっているかどうか出産後の母親150人にアンケート調査を行ったので報告する. 結果は, 19%の母親が出産時に脱臼がなければその後に股関節脱臼は生じないと回答し, 28%がオムツや抱き方が股関節形成に影響しないと誤った認識を持っていた. また股関節の動きを制限する抱き方を選択する母親も多く, 向き癖とDDHとの関係や抱っこひもの間違った使用については認識されていなかった. DDHの予防に股関節の動きを制限しないことや開排位に保つことの重要性は, 正しく認識されておらず, 今後整形外科のみならず小児科, 産婦人科, 助産師なども含めた取り組みが必要である.
ISSN:0917-6950