大腿骨頭すべり症患児の肥満の頻度はもっと高くないのか?

「要旨」当院での近年の大腿骨頭すべり症患児を疫学的に調査し, 小児の肥満の定義について言及した. 対象は1995年から2010年までに治療を行った41例 (男児30例, 女児11例) とし, 発症年齢, 身長体重分布, BMI, 肥満度を調査した. 1976年二宮, 2000年野口の多施設調査と比較すると当院例は男児発症年齢は11歳3か月で, 低年齢化の傾向であった. 大腿骨頭すべり症の発生リスクが上昇するといわれる身長140cm以上は, 当院例では男児76.7%, 女児63.6%, 体重40kg以上は男児86.7%, 女児54.5%であった. BMIを検討すると平均24.0で, 肥満ありとさ...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2012-06, Vol.21 (1), p.127-131
Hauptverfasser: 平良勝章, 根本菜穂, 中橋昌弘, 長尾聡哉, 山口太平, 佐藤雅人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」当院での近年の大腿骨頭すべり症患児を疫学的に調査し, 小児の肥満の定義について言及した. 対象は1995年から2010年までに治療を行った41例 (男児30例, 女児11例) とし, 発症年齢, 身長体重分布, BMI, 肥満度を調査した. 1976年二宮, 2000年野口の多施設調査と比較すると当院例は男児発症年齢は11歳3か月で, 低年齢化の傾向であった. 大腿骨頭すべり症の発生リスクが上昇するといわれる身長140cm以上は, 当院例では男児76.7%, 女児63.6%, 体重40kg以上は男児86.7%, 女児54.5%であった. BMIを検討すると平均24.0で, 肥満ありとされる25以上は43.9%であった. 男女ともclass I以上の肥満自体は減少していた. 肥満度による評価では肥満度20%以上の肥満ありが78% (軽度9例, 中等度12例, 高度11例) を占めた. 両者による肥満の評価は異なることがありBMIのほうが肥満の評価が低い結果であった. BMI25以上の肥満18症例は肥満度での評価では全て中等度以上の肥満評価であった. 小児の場合, BMIでの肥満の評価は適切とは限らず, BMI25以上の時点でかなりの肥満傾向であることを認識すべきである.
ISSN:0917-6950