先天性股関節脱臼の予防活動 - 過去・現在・未来

「要旨」先天性股関節脱臼の成因とその予防について, 過去・現在・未来と歴史的な流れに沿って述べた. 特に現在以降はわが国の予防活動を中心に述べた. 先天股脱は同じ疾患でありながらその発生頻度が地域・国によって異なるところから, 以前は人種や民族の骨格の違いなどに視点が向けられていたが, 現在では1) 出生前の因子, (1) 母体内での肢位や母体の状態, (2) 遺伝的な背景, (3) 性別 = 女児に圧倒的多い = と2) 出生直後からの環境因子 = 下肢自由運動育児法などの関与が論ぜられるようになり, 1) 出生前の因子と2) 生直後からの環境因子の関与が統合して先天股脱が成立すると考えられ...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2011-10, Vol.20 (2), p.466-473
1. Verfasser: 山田順亮
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」先天性股関節脱臼の成因とその予防について, 過去・現在・未来と歴史的な流れに沿って述べた. 特に現在以降はわが国の予防活動を中心に述べた. 先天股脱は同じ疾患でありながらその発生頻度が地域・国によって異なるところから, 以前は人種や民族の骨格の違いなどに視点が向けられていたが, 現在では1) 出生前の因子, (1) 母体内での肢位や母体の状態, (2) 遺伝的な背景, (3) 性別 = 女児に圧倒的多い = と2) 出生直後からの環境因子 = 下肢自由運動育児法などの関与が論ぜられるようになり, 1) 出生前の因子と2) 生直後からの環境因子の関与が統合して先天股脱が成立すると考えられている. その中で生直後からの環境因子の調整は唯一人為的にコントロール可能であり, 極めて重要な手段である. さらに言えば今後は内的素因を有する4か月未満の女児, 骨盤位分娩児 (特に単殿位分娩児) や家族歴を有する児に対しては特に注意深く対応すべきである.
ISSN:0917-6950